乱れた食生活は「心の健康」にも悪影響を与える

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2. 極端に健康的な食事は不健康なもの


体重を減らすことと細身の体は、どちらも私たちの社会における健康的人間の特徴と考えられている。ただしこれは、肉体と心の健康全般に対するごく限定的な見方であることを忘れてはならない。スリムな体を追求することは、いくつかのメンタルヘルス症状につながることもあり、摂食障害はその1つとなる。

オルトレキシア(新型摂食障害)は、食品群全体を拒否するといった極端な食事制限に関連する症状だ。オルトレキシア症状者は農薬、除草剤、合成物質などで処理された食べ物を摂取せず、調理に関わる技法や材料について極度に心配する傾向がある。

つまりオルトレキシアは健康的食事の極端な形態であり、不健康だ。

「オルトレキシアは摂食障害の一種であり、クリーンイーティング(なるべく自然に近いものを食べる)や健康的食事の陰に隠れていることがよくあります」とWithin Health(ウィズイン・ヘルス)の最高医療責任者ウェンディー・オリバー=パイアット博士は説明する。

オリバー=パイアットによると、オルトレキシア患者にとっての健康の追求は、機械的体験ともいえる状態へ向かっていくという。

「患者たちは、食事の社会的側面や食事の楽しみを無意味なものと考えます。彼らは健康な食事を追求するために、社交的活動や有意義で重要かもしれない生活の側面を無視するようになります」と彼女はいう。「食品材料への異常なこだわりは、非常に人間的で心地よく楽しい食事の体験をその人から奪います」

この状態が起こるリスクのある人たちのために、オリバー=パイアットは彼女が「自己規制」と呼ぶ行動をとることで、食べ物との関係の修復に集中することを勧めている。

「私たちの食事が自己的に規制されると(「意識的な食事」と読んでいる)、食事のパターンは過剰摂取にも過少摂取にもならない方法へと変化していきます」と彼女はいう。「脳と消化管と体をつなぐ神経伝達物質とホルモンからなるオーケストラは、すべてが相互にやり取りすることで人の生物学的要求、さらには心理学的要求に基づいた食事へと私たちを導いてくれます」

陳腐に聞こえるかもしれないが、人はその人が食べたものそのものであり、メンタルヘルスについても同様だ。食生活とそれが心に与える影響に関する研究は、しばしば無視されがちな現実を指摘している。メンタルヘルスで大切なのは治療の中で心の問題に対処することだけではなく、健康的なライフスタイルを維持することでもあるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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