販売当時のチキンラーメンはいくらで販売されていたかというと、一食85グラム入りで35円でした。うどん玉ひとつが6円の時代ですから、かなりの高級食品だったといえます。
問屋の主人たちはその高さに最初は仕入れを渋りましたが、実際にチキンラーメンを口にした人たちからの「おいしい!」「便利!」との声が日に日に高まり、注文が殺到しました。問屋のトラックが工場前に列を作ってチキンラーメンが出荷されるのを待つほど大ヒットだったそうです。
チキンラーメンのヒットには当時の時代背景も大きく関わっています。チキンラーメンが誕生した頃の日本はちょうど共働きや核家族が増え始めた時代で、手軽に食べられて長期保存できる魔法のラーメンは主婦の絶大な支持を受けたのです。また、スーパーマーケットの登場により加工食品を大量販売しやすくなったのも要因にあります。
テレビが注目を集めたのもこの頃で、いち早くコマーシャルを打ったチキンラーメンはテレビの急激な普及によってますます広く知られるようになりました。
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