ソウルに本拠を置くMisoの社名は、韓国語で「笑顔」を意味する。同社は、これまでにシリコンバレーのインキュベーターであるYコンビネータや、ロサンゼルス本拠のStrong Venturesなど、一流のスタートアップ投資家から累計1100万ドル(約14.6億円)以上を調達している。
Misoの共同創業者でCEOの41歳のChingは、韓国のハウスクリーニング市場で着実な成長を遂げた同社を、新たなステージへと導くため、既に70もの新規サービスを提供している。また、今後は初の海外進出も行う予定だ。事業拡大のための資金を確保するため、Misoは年内に3000万ドルの新規資金調達を行う準備を進めている。
Misoは昨年、フォーブスの第1回「フォーブス・アジア注目の100社(Forbes Asia 100 To Watch)」に選出された。同社は、家庭向けサービス分野におけるアマゾンのような存在になることを目指している。「Eコマースでは、品揃えの充実が重要だ。利用頻度が少ないサービスも、同じように品揃えが重要だと考えている」とChingは述べた。
Misoは、清掃や洗濯、ペットシッターなど、定期的に利用するサービスから、修理や引越し、内装リフォームの様に単発で利用するサービスまでをアプリ上で提供している。同社によると、現在50万人以上の有料顧客と5万以上のサービスプロバイダーがプラットフォームに登録しているという。
2020年9月に家庭向けサービスの拡充を開始して以降、Misoの売上高は急増している。Chingは、詳細な売上金額こそ明らかにしなかったが、グロスベースの予約金額は、2020年の約4700万ドルから、昨年は約3倍の1億2800万ドルに増加したという。彼は、ワンストップショップ構想が今後も機能すれば、成長スピードはさらに加速できると考えている。
「数十億ドル規模の巨大なサービス市場の上に、決済サービスを追加することができる。将来性は非常に大きい」とChingは言う。
Chingが目指す総合的な家庭向けサービスプラットフォーム構築は野心的だが、Strong Venturesの共同創業者のJohn Nahmは、Chingにはそれが実現できると考えている。Strong Venturesは、中古品マーケットプレイスのユニコーン企業「Danggeun Market」や、暗号通貨取引所「Korbit」などに出資している。