出会い系で失敗後の再チャレンジ
Chingは、Misoを設立する前の2014年に「Chinchin」という出会い系アプリを共同設立したが、約2年で廃業に追い込まれた。「投資家やメディアからの評価には価値がないことを学んだ。大事なのは、顧客がプロダクトを愛用してくれることだ」と、Chingはリンクトインに書いている。彼はハワイで育ち、イリノイ大学アーバナシャンペーン校でビジネスを学んだ。Chinchinを立ち上げる前は、フードデリバリーアプリ「Yogiyo」に2番目の社員として参画し、チーフ・プロダクト・オフィサーを務めた。
Misoは、シリーズBで調達する資金を事業の成長に充当する予定だ。同社は、2018年に前回ラウンドを行っており、Strong VenturesとYコンビネータ、家庭向けサービスに特化したVCであるAddVenture、Chamath Palihapitiyaが率いるSocial Capitalから800万ドルを調達している。Chingによると、Misoは将来的にIPOを目指しているが、具体的な予定は立っていないという。
韓国人の母と中国人の父を持つChingは、まずは香港、インドネシア、シンガポール、ベトナムに進出する予定だ。彼は、単に中国語版やインドネシア語版のMisoアプリを提供するのではなく、現地の家庭向けサービス大手と提携し、これまで培ったプラットフォーム運営などのノウハウを共有したいと考えている。
「新市場への参入を決定したら、その分野で事業を展開する現地の大手企業と提携するのが望ましい。家庭向けサービスは地域性が強いため、現地のエコシステムに所属する企業や創業者と一緒に仕事をしたいと考えている」とChingは話す。
Chingは、海外展開を目指しながらも、Misoの事業拡大や資金調達を急ぎ過ぎないよう気を付けている。「我々は急成長を図りながらキャッシュフローの黒字を維持することで、自社の運命を自分自身でコントロールできるようにしたい」と彼は語った。