9万円で4年間、北欧の国でワーケーション?「デジタルノマドビザ」の実情

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新型コロナウイルスの世界的な感染爆発に伴って急増した、ノマドワーカーと呼ばれる職業の人々。なかには国内に留まらず海外を拠点として仕事をこなす人も増えているようだ。

これまでは、国外に拠点を移し滞在するとなると、ノービザで滞在可能な国以外は「観光ビザ」を発給してもらうのが一般的だった。しかし世界規模のパンデミックと労働形態の変化に合わせて、各国では新たに「デジタルノマドビザ」の発給が始まっているのだ。

この記事ではデジタルノマドビザの基本情報から滞在先におすすめの5カ国を調査した。


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デジタルノマドビザとは?


デジタルノマドビザ。聞き馴染みのない言葉だという人が多いのではないだろうか。簡単に言うとノマドワーカーに向けたビザの種類だ。具体的にはデジタルノマドビザの取得によってその国に長期にわたり滞在し、仕事できるということになる。

そもそも「ビザ」とは日本語で言えば「入国許可証」を指すものだ。短期滞在ではビザが不要な場合も多い。しかし一般的に月単位以上ではビザの発行が必要だ。デジタルノマドビザはノマドワーカーにとって6カ月~数年にわたる滞在を許可されたことを証明する重要なものとなるため注目されている。

国によって異なる発給条件が設けられているが、共通項としては主に以下の4点が挙げられる。

・観光ビザで認められている以上の長期間滞在

・安定した収入の証明

・現地の労働市場には参入しない

・現地で有効な健康保険への加入


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観光ビザ・ノービザとの違いは?


観光ビザ・ノービザとの大きな違いは先述の通り滞在可能期間だ。ビザの有効期限は国によるものの短い国で1~3カ月、長い国では48カ月にもなる。なかにはスヴァールバル諸島など更新が不要で滞在し続けられる国もあるようだ。

またデジタルノマドビザによって長期滞在するワーカーは滞在国・期間などの諸条件によって納税義務についての変化が伴う場合がある。他国で得た所得は課税対象外である国もあれば、アメリカのように一定所得を超える場合は確定申告が必要な国もあるため注意が必要だ。
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文=アステル 編集=石井節子

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