クレイ:大阪を代表して全国に向けて地域の魅力を発信していくことで、大阪愛が深まり、地域の人との結束も高まるのかもしれませんね。小嶋さんから見た大阪の魅力って、ほかにどんなことがありますか。
小嶋:自分が関東出身だからこそ見えてくる部分もあると思うのですが、やはり「ひとつでも多く笑いをとろう」という意識が強いし、みんながボケたがる(笑)、それだけではなく、人を包み込むあたたかさがあるんですよね。私はいまでこそアイドルとして人前に出る機会が増えましたが、もとは人見知りで、人間関係でも壁をつくりがちだったんです。そんな私が16歳で大阪市に拠点を移してアイドル活動を始めてみて、すごくこの地域にいい意味で飲み込まれている感じがするんです。気づいたらこの文化圏に居心地のよさを感じていたというか。それって、あたたかさなのかな、と。
金谷:当社もね、社是は「愛」なんです。常に相手の立場になって考える。営業のキャッチフレーズも「まごころサービス」ですし、私たちは上新電機の事業を「幸せ提供業」と捉えています。
巨大地震やスーパー台風と異なり、今回の新型コロナウイルスは社会インフラそのものを破壊することはなく、各家庭への電気の供給が止まることはありませんが、その「電気の力」を「安全、便利で快適な生活」に変える家電製品の供給が途絶えると、社会生活はたちまち困難を極めます。家電製品は生活必需品であり、製品を最終消費者に届ける私たちの仕事は「幸せ提供業」であると考えているのです。さらに言えば、私たちはこの「幸せ提供業」を通じて市民生活を支える重要な社会インフラを担っているのだと。
クレイ:人を包み込む大阪の人の気質が、社是に表れているのかもしれないですね。最初は地域の方々がどういう活動しているか、という切り口でお話を聞こうと思っていたのですが、おふたりからは予想外の言葉が出てきて非常に興味深かったです。地域で活動することにこだわりをもちつつ、それをきっかけにもっと全国に広げていきたいっていう気持ちが、より大きかったんだな、と。地域に根付き、地域の延長線上として活動の場を増やしていくだけではなくて、地域のブランドを使って全国へ、世界へと発展させていきたいっていう気持ちがあるかなって。ルーツを守りながら大きくしていくっていうのは、活躍されている方々みなさんに共通する考え方なのかもしれませんね。
クレイ勇輝 1980年新潟県生まれ、神奈川県逗子育ち。2005年以降、音楽ユニット「キマグレン」、海の家の経営者、実業家といった多岐にわたる活動を経て、現在は事業家、アーティスト、プロボクサーとして活躍中。