小嶋花梨 NMB48 2代目キャプテン。1999年埼玉県生まれ。2016年、大阪・難波を活動の拠点とするアイドルグループNMB48の5期研究生として加入し、翌年正規メンバーに昇格。2018年、同グループのキャプテンとなった。
クレイ:NMB48の皆さんは、「アイドル不毛の地」と呼ばれた関西に改革を起こしたアイドルグループですからね。地域に根ざしたアイドルということで、特に大阪の人の心にはどうやったら響くのか、ということを日頃から意識していると思うのですが、どうですか。
小嶋花梨(以下、小嶋):金谷社長もおっしゃったように、やはり「華やかさ」がキーワードかなと。メンバーとも、関西の方々に愛してもらうためには、元気さ、さわやかさに加えて、より華やかであることが大事だよね、といつも話しているんです。コマーシャルでそれをどう表現するかとなったとき、ずっと笑顔でいよう、と。収録時には、普段のコンサートや握手会でも、こんなにずっと笑顔でいることもないんじゃないかなってぐらい笑い続けていました。収録が終わったあとは、頬の筋肉が痛くなるほどでした(笑)。
コロナ禍を経て、あらためて感じる「会いに行ける」ことの大切さ
クレイ:先ほど金谷さんが、地域を大切にしながら全国を目指す、とお話しをされていましたが、そのひとつにECもあると思うんです。地域と全国の両輪で会社を大きくしていくと考えたとき、店舗とECの価値をどのように考えていますか。
金谷:消費者の体験は二極化しています。ECで自宅にいながらにして買い物ができるようになったとしても、やはり家電製品においては何も説明を聞かなくても買える商品と、店員の説明を聞いたり実際に自分で触ったりしながら複数の商品を比較しながら買いたい商品がある。
そのうえで、店頭で納得してその場で買われる人もいれば、納得してもう一度家に帰って家族と相談して、購入してっていう方もいらっしゃるので、店頭でのお客さんとの接点となる「サービス」っていうのは大切だと思いますね。東京をはじめ他県にも店舗はありますが、発祥の地で地域の方との接点としての店舗と、全国へと裾野を広げていく意味でのEC。相乗効果でやっていきたいと思っています。
クレイ:実はECの話って、小嶋さんがいるエンタメの業界におけるライブ配信と何か通ずるものがあるんじゃないかな、と僕は考えています。まずは地域の方に知っていただかないと、という意識と、同時に全国区を目指す、という両輪があるはずです。コロナ禍でリアルライブがなくなった時期に配信に切り替えたことによって、全国、はたまた全世界に向けて一気に発信できるようになったと思うんですけど、そういった環境の変化についてはどう感じていますか。
小嶋:「会いに行けるアイドル」として握手会などの活動していたなかで、コロナ禍においてはオンラインお話し会というかたちで活動方法を切り替えていました。そのことによって、いままでお話することのなかった地域の方だったり、海外の方との接点も増えたんです。最近では対面でのお話し会も少しずつ復活はしてきたんですけど、並行してこれからもライブ配信を続けていけたらいいなと考えています。
クレイ:直接ファンに触れるような距離感を今後も追求はしていきたい、ということですね。
小嶋:はい。そのなかでも地域性は大事にしていきたい。たとえば、今年5月に大阪と東京で吉本新喜劇さんとNMB48でミュージカル『ぐれいてすと な 笑まん』を上演しました。そのときに感じたのが、東京と大阪は文化圏が全く違うけど、見にきてくれた方々はそこに新鮮さを感じて、面白がってくださったということでした。私は埼玉出身で、家族もずっと関東に住んでいるんですけど、東京での公演を見にきて「大阪ってすごいね、面白いね」といって2、3回目に来てくれたんですよね。家族のそういう姿を見たときに、関西の魅力を全国に伝えることが自分たちにできることなんだなと思いました。そして、大阪の人たちも、自分達の「笑い」の文化が広まっていくことを喜んでくださるんじゃないな、と。