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2022.07.29 09:30

猛暑が不公平や不平等を助長 米国で有色人は暑さにやられやすいことが明らかに


歴史的なレッドライニング(低所得階層の黒人が居住する地域に対して、金融機関が融資リスクが高いと赤線で囲み、融資の対象から除外するなどして差別したという問題)やその他の差別的行動は、なぜ有色人種コミュニティに木陰が少なく、舗装面や工業地帯が多いのかを説明している。それらすべてが、ヒートアイランド現象に影響している。以下に示す米国農務省(USDA)のデータは、有色人種が都市部に住む傾向が高いことを示している。


都市部および郊外人口の人種、民族別割合 (c)USDA

本稿執筆中も、米国をはじめとする世界各地は過酷な熱波が発生している。今は多くの子どもたちが野球、サッカー、ソフトボール、アメリカンフットボールなどをプレイする時期でもある。私は、この国が猛暑に対して無関心すぎることを再三嘆いてきた。竜巻や雷が近づいてきたとき、コーチや親たちはグラウンドに走り寄って子どもたちを連れ帰る。しかし、その同じ大人たちが、華氏100度(37.7℃)の暑さの中で子どもたちが運動することを許している。

米国国立気象局米国疾病管理予防センター(CDC)のデータによると、異常な高温は毎年、他のどの気象災害よりも多くの人々を死に至らしめている。しかし人々は、「単なる夏の暑さだから、大丈夫」とか「昔はこのくらいの暑さの中でスポーツをやったものだ」などという。いいえ、あなたはやっていない。下のNASAのグラフが示すように、温度分布は過去70年間で変化している。現在のほうが暑いのだ!


1951~2020年の温度分布の変化 (c)NASA SVS

マーフリーとブリンソンは「高校生アスリートにとって、連日の猛暑は熱中症や怪我、入院、そして死亡のリスクを高めます。熱中症はスポーツにおける最大の死因です」と続ける。さらに彼らは、暑さに関する医療事象の大部分は、子どもたちが学校やスポーツ活動に戻る8月に発生していると指摘する。この国で有色人種コミュニティがどこに住んでいるかを示す地理的状況を踏まえれば、本稿の冒頭でなぜ私が指摘した問題の理由は明白だろう。

最後に以下の意見を述べて終わりにしたい。

1. 熱に起因する病気や怪我はほとんどが予防可能である
2. 気温予報は計画のために極めて信頼性が高い
3. 気候温暖化はここにある。今、まさに
4. 学校とスポーツ団体は気温、熱指数、および湿球黒球温度を監視する設備を持っている。彼らは、命を勝利に優先する責任も持っている

同僚のアンドリュー・グランドスタインは、暑さとスポーツに関する研究で、この分野で最先端の組織であるコリー・ストリンガー・インスティテュートに表彰された。彼はInside Climate Newsの記事で、ジャーナリストのジェームズ・ブラッガーズのインタビューに答えて「私たちが楽しんでいるスポーツのような活動は今も行えるはずです。気候が温暖化していることを踏まえると、暑さ対策のガイドラインとポリシーを作ることはいっそう重要になっています」と述べている。私も同意見だ。

翻訳=高橋信夫

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