テクノロジー

2022.07.26 14:00

軽度の新型コロナ患者の入院・死亡リスクをファイザーらの経口治療薬が減らす可能性


新型コロナの感染者数と入院は、非常に感染力の強いオミクロン株変異種BA.5が広がり続けているため、米国をはじめ世界中で増加している。米疾病対策センター(CDC)によると、7月20日までの1週間の米国における1日当たりの新規感染者数は平均12万5827人で、4月中旬の最低値である1日当たり約3万558人から増加した。7月19日までの1週間の1日あたりの新規入院患者数は6000人を超え、4月上旬の1日平均1428人から増加したが、入院患者数は1月の感染者急増時に比べるとはるかに少なくない。

研究者によると、これまでの研究のほとんどは入院した患者の重症化でコロナ治療がどのような成果を上げるかに焦点を当てており、重症ではない患者への経口抗ウイルス治療の有効性に関する証拠を分析した研究はこれまでなかったという。

ファイザーの抗ウイルス薬は12歳以上のリスクの高いケースでの使用が認められているが、メルクの治療薬は骨や軟骨の成長に影響を与える可能性があるため、成人のみに認可されている。米政府は、より多くの国民が新型コロナの抗ウイルス治療、特にファイザーの経口薬パクスロビドを利用できるようにしようとしている。

バイデン政権はこの治療薬を2000万コース分購入することを約束した。また、新型コロナウイルス検査と抗ウイルス剤の投与を一度に受けられる「Test-to-Treat」サイトを全国各地に設置した。このプログラムには、薬へのアクセスが大幅に改善されていないと主張する専門家からの批判もあったが、FDAは2022年7月初め、患者の健康記録と投薬リストを確認した上で、深刻な症状を発症するリスクの高い12歳以上のコロナ患者にパクスロビドを処方する権限を薬剤師に認めた。薬剤師はこの薬へのアクセスを迅速化するために処方する権限を求めていた。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領は21日に新型コロナ陽性となり軽い症状があった。年齢的に重症化するリスクが高いため、現在、パクスロビドを服用しているという。

翻訳=溝口慈子

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