テクノロジー

2022.07.18 07:00

ブロックチェーンについてCEOが知っておくべきこと

ブロックチェーンとは2つの主体が、互いに相手を知らなくても信頼していなくても、信頼・検証可能な方法で価値を交換できるコンピュータプログラムだ


2番目の要素である複雑さは、非常に恐ろしい中間業者がブロックチェーンを覆い尽くしていることを意味している。ブロックチェーンを作りそれを変更することができるプログラマーから、Coinbase(コインベース)やFTXのような入口サービスであるOpenSea(オープンシー)、Infura、Alchemyなどのサードパーティーサービスまで。
advertisement

それ以外にも、金をもらってスポンサーになるGisele Bündchen(ジゼル・ブンチェン)のようなエコシステムレントシーカーと呼ばれる人々や、本来「人々のため」であるはずの技術で手っ取り早く儲けようとする起業家たち、そして新たな資金調達分野を作るために旗を振る、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)やPeter Thiel(ピーター・ティール)のようなベンチャーキャピタリストもいる。

3. ブロックチェーンは日常的に役立つ。予測不可能な金がかかり、矛盾も多いが、ブロックチェーンは緩くつながった買い手と売り手のグループが、互いに騙されたり支配されたりする心配なく取引きするために最適な技術となる可能性を持っている。

こんな良い例がある。シーフードのサプライチェーンがあり、そこでは漁民、港湾労働者、倉庫運営者、運送会社、トラック運転手、レストランなどが魚はいつ捕れたのか、今どこにあるのか、新鮮なのかを全員知りたがっている。「鮮魚」ブロックチェーンは、簡単ですぐに展開できる検証可能な方法で、誰もがシーフード事業に参加することを可能にする。このような「全員が平等」な商業向けに数多くのブロックチェーンが作られることが期待できる。ただし、ブロックチェーンのギロチンが、Netflix(ネットフリックス)やCitibank(シティバンク)、Sotheby’s(サザビーズ)、欧州中央銀行などの息の根を止める「すばらしき新世界」がすぐにやってくると期待してはいけない。簡単にいえば、ブロックチェーンは経済の狙った一部を静かに改善するものであり、社会や既存のビジネス構造をひっくり返すものではない。
次ページ > 誇張と大言壮語の嵐をかいくぐって冷静に見つめる

翻訳=高橋信夫

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事


advertisement