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2022.07.14

「経血量」を測れるショーツで何が変わる? Be-A Japanとミツフジが共同開発

Be-A Japan代表取締役CEOの髙橋くみ(左)、ミツフジ 代表取締役社長の三寺歩(右)


──測定した経血量のデータは、どのようなことに役立つのでしょうか。

髙橋:婦人科系疾患と経血量との間に、どのような関係性があるのかを解明することに役立ちます。

医療監修をお願いしている産婦人科の先生が、女性が生理に関するお悩みを抱えてクリニックに来たときに、「どのくらいの量の経血が出ているのか」を尋ねても、結局はご本人の主観でしか話せないことが問題だとおっしゃっていて。

「ナプキンを頻繁に交換している」「多い日用のナプキンが3時間しかもたない」などと聞いても、交換する基準は人それぞれなので、実際にどのくらいの経血量なのかはわかりません。

また、「どの程度の経血量なら適度で、どの程度なら多いのか」と参照するデータもないので、その基準となるデータから取得していく必要があります。

お客さまは、自分のデータを蓄積しその変化を追っていくことで、体調の変化を知ることができるようになります。様々な方に使っていただければ、年齢や体型、人種などによって経血量に違いがあるのかということもわかっていくかもしれません。

さらに、婦人科系以外の病気との関連などの、未知な部分も見えてくるのではないかと思っています。そうなれば、フェムテックを超えてヘルスケアテックにイノベーションを起こすこともできるでしょう。

三寺: 女性の社会進出が進み、女性が抱えるストレスの種類が増えたことによって経血の量や質が変わってきているという話も聞くので、「生理とメンタルの相関性」もデータとして見えてくると思います。



──今後、事業としてどのように展開していきたいと考えていますか。

髙橋:今は社会的にフェムテックに注目が集まっていて、投資が入りやすくなってきています。この時代の変化に乗り、日本発のフェムテック企業として世界を目指したい。すでに世界に進出されているミツフジさんと一緒にやることで、それが可能になると信じています。

三寺:ありがとうございます。私たちは、これまで大企業の開発案件を受けることが多く、実はスタートアップと組むのは今回が初めてなんです。なので、スタートアップが成長するためのエンジンをつくらせていただく、という大きな責任を感じています。

また、Be-A Japanさんは非常に明確なミッションを持っている会社なので、その実現に取り組む過程で、我々も変わりたいと思っています。ミツフジは事業承継の視点でメディアから注目いただく機会は多いのですが、これからはもっとテクノロジーに注目してもらいたい。そのためのエポックメイキングな商品が、今回の商品になると考えています。

文=三ツ井香菜 取材・編集=田中友梨 撮影=杉能信介

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