私は2014年に、親友のヴィンセント・フォーランドと『PERIOD.』を共同設立しました。世間的に「生理」という言葉がまるで悪いもので、他人に隠すべきもののように扱われていること。そして、当時アメリカの40州で生理用品が課税対象として扱われていたことが設立のきっかけです。
ホームレスなどで金銭的に生理用品を買えない人は、靴下やダンボールで代替しているのです。そんな状況を良くしたいと思い、この団体を立ち上げました。
ピッチコンテストなどに参加して募った寄付金で生理用品を買い、小分けのパッケージにして配布をしたり、SNSで情報発信をしたりしています。現在は50州すべて、そして50カ国に800以上の支部があります。しかし、ロゲインやバイアグラとは異なり、いまだに生理用品は嗜好品とみなされており、30の州では生理用品は課税対象のままです。
生理関連の痛みは女子生徒の学校欠席の主な原因であり、生理は発展途上国で女子生徒が学校を欠席する理由の第1位。私たちは、これらの壁を乗り越えるために、より多くの女性やさまざまなジェンダーを代表する人々を権力のある立場に投票し、変える必要があります。いまは生理の課題のみならず、最終的には均等な権利と機会が性別を問わず与えられる社会をつくることを目指しています。
私にとって「仕事」とは、毎朝起きて、自分や他の人の生活の質を向上させるために自分の時間を割くこと。そのためにはお金はとても重要な要素です。私は、非営利で価値提供を行う組織や団体は、そのあり方を変えるべきだと思っています。なぜなら、世界中で不公平を永続させている一因となっている場合が残念ながら多すぎるから。
私たちの世代では、利益と社会貢献をハイブリッドで考える企業が続々と生まれてきています。私はそういった企業こそ、社会を大きく変えることができる可能性を秘めていると思います。
私が非営利セクターで働いていたときに非常に悔しかったことは、資金調達自体が仕事になってしまっていると気づいたときでした。人々を手助けする仕事よりも、まずお金を集めなければいけない。困っている人に直接的に貢献できる時間がとても少なかったのです。ビジネスの素晴らしさは、サステナブルな収益モデルをつくれば、自分の仕事が自然と収益を生み出すようになり、資金調達よりも社会的インパクトを与えることに時間を割くことができる点です。