バイデン大統領はガソリン価格高騰を責任転嫁、海洋採掘禁止の意向を維持

ジョー・バイデン米大統領とデブ・ハーランド内務長官(Getty Images)


その計画は、連休前夜の7月1日遅くにワシントンD.C.のドキュメントダンプ(文書の大量一括公開)として公開されたもので、予想どおり限定的であり、ハーランド長官とバイデン大統領が政権誕生以来強要してきた事実上の海洋採掘禁止の論拠を求めようとする行動が透けて見える。

ロイター通信によると、同計画はメキシコ湾で今後5年間に「0〜11」回の入札を実施する予定であり、おそらくアラスカのクック湾でも1回行われるとしている。アラスカのノーススロープ沖や大西洋あるいは太平洋海域で入札を行う計画は入っていない。

重要なのは、長年の石油・ガス反対派であるハーランドが、内務省は入札を一切行わない可能性もあると発言したことで、過去17カ月間同氏が確立してきた傾向を踏襲している。ハーランドは、計画に対するパブリックコメントが重要であると語り、国内石油産業を妨げるこのような行動は、再生可能エネルギーへの「驚くべき移行」の重要部分であるとするバイデン大統領自身のコメントに同調した。

「バイデン大統領と私は、政権発足当初からクリーンエネルギー経済への移行を明確に宣言してきました。ここに私たちは、海洋石油・ガス採掘の将来について、米国の人々が考え、意見を述べる機会を推し進めます」とハーランドは声明で語った。

声明で述べられたハーランドの「米国の人々」へのメッセージは、主としてアンチ石油・ガス活動家コミュニティに向けられている。行政手続法は、内務省がこの種の計画を進める前にパブリックコメントを検討することを義務づけている。過去30年間、環境保護コミュニティは、こうした計画に対して何十万通ものコピー&ペーストされた反対声明で内務省を埋め尽くすことに成功してきた。

同じことが再び起こることは間違いないが、業界自身も、いくつかの業界団体や非政府組織を通じて、伝統的なうわべばかりの行動を起こすだろう。そしてハーランドは、反対声明を数え上げて自身の決定を進める後押しに使用し、採掘権のリースを一切行わない可能性が高い。

過去17カ月間、私たちがバイデン政権に関して他に何も学習しなかったとしても、連邦水域内の石油・ガスリースを「終了」するという2020年大統領選挙の公約を守るためなら、バイデン大統領はどんなことでもするということは間違いなく学習しただろう。

米国の石油精製会社と同様、ガソリンスタンド運営会社は価格設定者ではなく価格受容者だ。彼らが顧客に請求する価格は市場要素、税金および規制措置の組み合わせに基づいて決められる。この点に関してバイデン政権が実施するあらゆる規制措置が、スタンドが請求する価格を上げる方向に働いていることは否定できない。

今週環境保護庁と内務省がとった行動は、最新の2つの事例にすぎない。これがバイデン大統領の計画なのだ。

翻訳=高橋信夫

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