経済・社会

2022.06.29 16:00

G7はロシア産石油価格の抑制に苦闘するだろう

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6月26日、米国大統領ジョー・バイデンは他のG7首脳とともに、ロシアの原油輸出に世界的な上限価格を設定する計画を検討した。これは極めて野心的な計画であり、実行にはG7メンバー以外の国々の非常に高いレベルの協力が必要になる。

ワシントン・ポストは電話記者会見の中で、バイデン政権の匿名の高官が「各国首脳は詳細を固めつつあり、ロシアによる欧州連合、英国、米国、およびその他のG7諸国以外の国への石油輸出に世界的上限価格を設定するシステムを作るよう、『ごく近いうちに』それぞれの関係閣僚に緊急指示するといった」と話した。

ニューヨーク・タイムズは26日午前、首脳陣は合意に近づいていることを報じ、ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官の「比較的早く実行できると考えている」という発言を引用した。同紙はさらに、米当局は、こうした計画がロシア製原油を市場から締め出す効果を確実にするよう最新の注意を払うつもりであると報じている。

こうした世界的計画を実施するにあたって非常に大きな問題は、当然ながら考えられないほど複雑な事情が絡んでくることだ。そのようなシステムを作るために、7カ国の関係閣僚は何らかの方法でロシアから流出する石油の量を追跡する方法を開発する必要があり、その対象は無数のパイプライン、トラック、タンカーをはじめ、最終的にはその他の輸出国、産油国から日々運ばれてくる数百万バレルと混じり合ったものになる。

つい先週米国政府は、ロシア産石油がインドなどで精製される過程で、他の国々で生産された石油と混合された結果、米国に入ってくる可能性があることへの懸念を表明した。G7諸国がどうやってそれを追跡するのかはもちろん、それ以前にインド政府にそんなことをする理由はあるだろうか。

G7のリーダーたちが自国の閣僚にそうした指示を与えるのと、それ以外の世界188カ国の政府の閣僚たちがするのとはまったく別の問題だ。いったい誰が、あるいはどんな権限が、彼らやその国のリーダーに対して、そんなシステムに協力するよう指示するのだろうか。

たしかに、G7は世界に大きな影響力をもつ強力な連合組織だが、他にも強力な国家連合は存在し、それぞれに守るべき人々や国益がある。たとえばG20には中国、メキシコ、インドネシア、韓国、トルコ、サウジアラビア、インドといった有力国がG7諸国に加えて参加している。
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翻訳=高橋信夫

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