レジ袋はエコバックよりエコ?
日本では2020年7月から有料化されたレジ袋。
脱プラスチックの意識が高まり、エコバッグを持ち歩く人は増えたが、実はレジ袋のほうがエコだとする研究もある。
イギリスの環境庁の研究で、コットン製バッグの場合、レジ袋より温暖化リスクを小さくするためには131回以上使う必要があるという結果が出たのだ。これはレジ袋を再利用しない前提で算出した数値であるため、実際はさらに多くなる。
また、ポリプロピレン製の不織布バッグであれば、11回以上使用すればレジ袋より環境負荷が小さくなることがわかった。
もっとも、海洋プラスチック問題への影響を考慮するとどちらのほうが環境に優しいと言い切ることはできないが、温暖化への影響のみを考えるのであればプラスチックはエコであると言える。
食品ロスの削減に貢献
プラスチックは食品ロスの削減にも貢献している。
プラスチックの包装容器は食品の腐敗を防ぐ効果があり、賞味期限を長くできるのだ。
世界全体でみると、作られた食べ物の1/3が食べられることなく腐敗して埋め立てられ、メタンガスを放出している。
日本では捨てられた食品は処理工場に運ばれ可燃ごみとして処分されるが、運搬や焼却の際に二酸化炭素を排出し、焼却後の灰の埋め立ても環境負荷につながる。
また、プラスチック包装は密閉性が高いため、食中毒のリスクを減らすことができる。
代替品にも問題がある
近年、プラスチックの代わりにさまざまな素材が用いられているが、ほとんどの場合は代替品にも何かしら問題がある。
例えば、容器やストローに使われている紙は再利用が難しく、需要が高まることで森林破壊につながる可能性があり、衣服の素材となるコットンは、生産過程で大量の水と農薬を使用する。
かつては象の乱獲を防いだプラスチックが、大量に使われるようになったことで環境を汚染しているように、どの素材もバランスを考えて使わなければならないのだ。
真の悪者は大量生産・大量消費
私はこの記事を通してプラスチックの使用を推進したいわけではない。
プラスチックを悪者扱いすると問題が矮小化することを伝え、無駄な消費を見直すきっかけを与えたいのだ。