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2022.06.04 10:00

食品生産の「脱炭素」、藻のスーパーフードで実現へ 米新興企業

Getty Images

ヨナス・グンターは、農業における炭素の大量排出の問題を解決し、「破綻した食品システム」を修復することを目指している。米環境保護庁(EPA)によると、農業由来の炭素排出量は2019年、米国の全排出量の約10%を占めていた。

グンターは4年前、ニューヨークのブルックリンで都市農業企業ウィー・アー・ザ・ニュー・ファーマーズ(We Are The New Farmers)を設立。同社は、回収した二酸化炭素を使い、微小な藍藻類のスピルリナから持続可能な食品を作っている。商品は冷凍キューブやペーストの形で、スムージーやヨーグルトに混ぜることができる。

スピルリナはタンパク質が多く、さまざまな栄養素が豊富であることからスーパーフードと呼ばれている。他の社会起業家にも活用されており、例えば創業5年のスピラ(Spira)はスピルリナを使って、石油化学系の人工色素に代わる食品着色料を作っている。

製造方法


ウィー・アー・ザ・ニュー・ファーマーズの商品製造は、複合施設ブルックリンアーミーターミナルにある工場で行われている。約120平方メートルのスペースに水で満たされた密閉型タンクが並べられ、その中ではスピルリナが栄養素と光、二酸化炭素を与えられて培養されている。スピルリナは水から分離され、ペースト状にされてブルックリンにある別の発送センターから出荷される。

こうしたスピルリナの培養・消費方法は、これまでのやり方とは大きく異なる。グンターによると、従来製品の多くは、スピルリナを乾燥させ粉末状にしたものだ。添加物が加えられた商品も多く、栄養面でも劣るという。また、スピルリナは池などの屋外で培養されることが多いが、こうしたやり方では水が汚染される可能性がある。一方でグンターは、屋内の制御された環境で培養を行っており、製品には乾燥スピルリナの多くにある生臭さもない。

ハンブルクからニューヨークへ


グンターは2016年、自分が好きな植物栽培とテクノロジーを組み合わたキャリアを追求しようと決めた。目指したのは、食品生産での二酸化炭素排出量を削減し、カーボンニュートラル(炭素排出量を実質ゼロにすること)を実現するイノベーションだ。
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編集=遠藤宗生

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