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2022.08.31 14:00

シリコンバレーにいるからこそ感じる、グローバルイノベーターへの3条件

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3)未来をデザインする能力


人生100年時代と言われているが、シリコンバレーでは生涯現役の人が多く、何歳になっても、世の中に価値を提供し、グローバルイノベーションを起こしたいと願い続けている。
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従来の「会社の1つの歯車になれ」というパラダイムをベースとする「会社があって自分の価値が決まる」のではなく、「従業員一人一人の強み・価値が結集されて、会社の価値を決める」時代に来ている。事実、アメリカでは「採用」ではなく「オファー」で人を雇う。

そこで、たとえ大企業で働いていたとしても、自分の生み出した価値への評価として報酬をもらう感覚を持っておくとよい。経営者的視点を持ち、社内外での自分のブランド力を高めていき、大企業の強みである豊富なリソースを活かして、ビジョンを達成するためにチームを牽引していくことが、結果的に企業の成長につながる。

また、退職後は自分自身で勝負しないといけない。そこで、過去の成功をもとに価値提供するだけでなく、シリコンバレーの人々のように、新たな未来を創る人材として価値提供できるといい。そうでなければ、VUCA時代に生き残れなくなる恐れがある。「世界初」を意識するスピリットを持ち、人と違った発想ができる仲間と共に、学び、創造し続ける人生は有意義ではないだろうか。
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以上の3点を意識しながら、どんどん様々なコミュニティに参加し、実践を重ねてほしい。

移住も視野に入れ、骨を埋める覚悟で駐在できる環境を


大企業で働く従業員一人一人にも、シリコンバレーのスタートアップの起業家のような起業家精神が求められる時代だ。法務・契約・会計などの専門知識を持ち、自分達のビジョンにも共感してくれる仲間たちを自ら積極的に見つけ、信頼関係を築いていくよう心がけることも必要だろう。

複数のVCから日系企業に対して指摘されている話だが、海外駐在員の任期が短すぎて、せっかく信頼関係を築いても帰国しなければならないケースもあり、勿体無く感じるようだ。例えば、CVCでもファイナンシャルリターンを求めていないところがあるが、投資する以上、戦略的であろうが無かろうが、ファイナンシャルリターンは当然である。スタートアップのEXITは平均7年と言われているのだから、3年と言わず、骨を埋める覚悟で、駐在や移住することも大切ではないだろうか。本気で急成長を目指すスタートアップには、本気の信頼できる特定の支援者が必要だ。

現在の日系企業の多くが、短期的な売上・利益の確保に偏重しすぎの感があるのではないだろうか。社会のペイン・ニーズをどれだけのインパクトで持って解決でき、その対象顧客がどのくらいいるのか。それについて、最初に数字の議論をするのではなく、社会的インパクトの最大化を目指した議論を行うことが求められており、イノベーションに必要なプロセスでもある。

シリコンバレーの方法が全てにおいて優れているというわけではない。シリコンバレーで成功したことがそのまま日本で成功するとは限らないし、逆も真なり。双方の特徴を正確に捉え、繋ぐことができるグローバルイノベーターの存在は、益々求められていくに違いない。

連載:イノベーション・エコシステムの内側
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文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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