ビジネス

2022.08.31 14:00

シリコンバレーにいるからこそ感じる、グローバルイノベーターへの3条件


2)グローバルコミュニケーション力


これは単に語学力があるということとは違う。相手の心を掴み、自分の考えを表現し、良い関係性を持続させることが重要だ。そのためには、情報交換を超えた、個人としての魅力が伝わらなければならない。そこで、グローバルコミュニケーション力を向上させるための3つのヒントを挙げる。

プレゼンする写真

Hint1:失敗より、チャンスを逃す方が恥ずかしい


日本人は、文法や発音を間違えることを恥ずかしいと感じるが、米国人からすると、英語ネイティブではないので、間違いがあることは当たり前のことだ。むしろ、完璧でないことを理由に話さない、表現しない、行動しない方が不可解に思われる。なので、海外にいる時は恥も外聞もない別のキャラクターを演じるくらいの方が、自分のポテンシャルを広げるために役立つし、間違いを恐れることでチャンスを潰してしまうデメリットの方が大きいはずだ。とにかく大きな声で話すこと。日本人は背が低いし、子音が弱いので腹に力入れて口を大げさに動かして相手の脳みその後ろまで届くように話そう。

もちろん、事前に準備できることはしておかなければならない。例えば、プレゼンを行う場合などは、事前に録画して、改善し、練習を何度もすべきだ。発音や内容はもちろん、パワーポイントや手の使い方、アイコンタクトの仕方なども工夫したい。これは日本語でもそうだが「えー」、「あのー」などの言わなくて良い言葉は、極力言わない方が良い。そして、本番を迎えたら、1000人会場にいたとしても、一人一人に対して、アイコンタクトしながら情熱的に話をするように心がけ、世界にあなたのビジョンを発信しよう。

Hint2:Give and Takeの誤解


シリコンバレーの人達の多くは、Give, Give and takeである。名刺交換する場合、日本人の多くの人が「何かあったらよろしくお願いします」という旨を伝えますが、それは「Take and Give」であって「Give and Take」ではない。シリコンバレーの優秀な方は、まず相手の事を親身になって聞いて、まず役に立ちそうな人脈や情報を与えようとする。彼らは、人脈の重要性を人一倍理解しているので、相手に対して、自分は何が出来るかを常に考えているのだろう。

Hint3:愚鈍な質問をする度胸


「こんな質問したら、おかしいのではないだろうか」と考え、質問をしない人もいるだろう。しかし、自分が率先して、初歩的な質問をすることで、逆に、尊敬されることもある。例えば、偉い人が講演される時、そのベースになる基礎的な事の説明が抜ける場合がある。その場合、「You may think I am stupid, but may I ask」といった前置きをしてから初歩的な質問をすることで、「お前は凄い、よくぞ聞いてくれた」と、周りの人から歓迎されることがある。同じような疑問を持ちながらも、聞けずにいる人は他にも案外いるのだ。また、質問をすることによって、自分を覚えてもらえて、人脈が拡がる機会にもなる。

また、色々な交渉・協議の場面でも同様だ。不明確な部分を残したまま会議が終了することがないように、自分が理解出来ていないポイントは理解できるまで尋ねる必要がある。このような態度は失礼ではなく、相手からしても本気で理解しようとしてくれていると好意的に捉えてもらえるだろう。よって、普段から質問する習慣を身につけるといい。
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文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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