ビジネス

2022.04.26

北欧の革新的企業スーパーセルCEOが語る「最高のチーム」のつくりかた

スーパーセルCEOのイルッカ・パーナネン


最高のチームのつくりかた


彼にとって仕事への最大のパッションは、「クリエイティブなものをつくること」だ。ゲームはもちろんのこと、それは会社やチームにも当てはまるという。

「スーパーセルの創業当初から、考え方はシンプルで、何も変わっていない。『最高の人、最高のチームが、最高のゲームをつくる』ということだ」。新しいことを成すためには、ゲームをつくる最高のチームと、可能な限り彼らが才能を発揮できる組織文化、この2つが必要だと語る。

スーパーセルでは「アイデアや企画を承認したり、青信号を出したりしない。僕たちは青信号のチームなんだ」。しかしどのようにすれば、最高のチームをつくれるのだろうか。パーナネンは「もちろん、正式なプロセスなどはない。トライアルアンドエラーの繰り返しだ」としながらも、ヒントについて語ってくれた。

「それは結局、人間同士のインタラクションなんだ。2人の人間の組み合わせがうまくいくかどうかは、やってみないとわからない。もちろん、その分野の研究は出てきてるけど、僕はそれは科学というよりむしろ、アートの領域だと思う」。まずはとてもうまくいく2人の組み合わせを見つける。それをコア(核)とし、チームをつくり上げていく。

「この“奇跡のペア”は、必ずしも同じ考えをもつもの同士とは限らない。むしろ、異なる視点をもっていることのほうが多い。でも、重要なのは、彼らは最後には共通のゴールを見つけて、一緒に目指せる、ということだ」

そのようなコア(核)をもつチームがそれぞれに独立性をもち、互いに緩やかにつながりながら成長していく、スーパーセル(セル=細胞)は、そんな組織を目指している。

15年、パーナネンは社会的に疎外されている子どもや家族を支援するためのNPO、We Foundationを共同創設した。自身はごく普通の一般家庭に生まれたが、好きなこと、大きな夢を追うことができた。教育も無料で受けられる、フィンランドの機会の平等に感謝している。

「アメリカは住んだことがあるし、大好きだけど、フィンランドはアメリカよりもアメリカン・ドリームを追える国だと思うよ」

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インタビュー=柴山由理子 文=岩坪文子 写真=ヨーナス・ブランド

この記事は 「Forbes JAPAN No.094 2022年月6号(2022/4/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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