「どう伝えるか」の大切さ、自信と温かさがこもった口調のコツ

Photo by Makiko Tanigawa / Getty Images

音声コミュニケーションの人気が、あちこちで上昇している。

米公共放送NPRが行った最新調査で、音声を聴く機会が過去7年で40%も増加したことが明らかになった。それもそのはず。私たちはポッドキャストやオーディオブックに耳を傾け、ボイスメールで連絡し合い、Zoomではカメラをオフにして会話をしている。

ソーシャルメディアでは、クラブハウスやツイッターのスペースで、生配信されるチャットへの参加を呼びかけられる。リンクトインでは、ポッドキャストを聴いたり、プロフィルに短い音声を登録したりできる。

米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は2022年2月2日付けの記事で、マッチングアプリが提供する声の録音機能の人気がどう推移してきたかについて、詳しく解説しているほどだ。

声は、良くも悪くも、発話者の人となりについて多くを物語る。そして、音声コミュニケーションが増加しているなかでは、「どう伝えるか」は、「何を伝えるか」と同じく重要だ。

2022年3月に新著『Cues: Master the Secret Language of Charismatic Communication(合図:カリスマ性のあるコミュニケーション力をマスターできる秘密の言葉)』を出版したコミュニケーション研究家ヴァネッサ・ヴァン=エドワーズ(Vanessa Van Edwards)は、伝えたい事柄を相手にしっかり届けるためのいちばんの方法は、口調を巧みに使い分けることだと指摘する。

「人が話をしているとき、私たちは2つの事柄に耳を傾けている」とヴァン=エドワーズは説明する。「それは、自信と感情だ」

自信のある口調からは、パワーが伝わってくる。発話者が、低いトーンに適切な抑揚をつけて話しているときは、自分を真剣に受け取ってほしいと強く望んでいるしるしだ。

感情は温かさを伝える。変化に富んだ口調で生き生きと話をしていると、聴く人の興味をかきたて、関心を集めることができる。

理想としては、自信と感情の両方が備わった話し方が望ましい。とはいえ、その2つのバランスをうまくとって、カリスマ性を発揮するにはどうすればいいのだろうか。ヴァン=エドワーズは口調について、次のように詳しく説明している。

自信が伝わる話し方


声の存在感を高めたいなら、次のような話し方を意識してみよう。

低いトーンで話す:緊張していると、トーンが高くなりがちだ。しかし、自信が伝わるのは、発話者の自然な声のなかでいちばん低いトーンである。

声の大きさを使い分ける:コミュニケーション力に長けた人は、声が大きめだ。また、重要ポイントを強調するためには、声の大きさをあれこれ変えたほうがいいことを心得ている。ワクワクしているときは大きな声で、秘密を打ち明けるときは小さな声で、といった具合だ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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