「共感力」に関する5つの誤解

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4. 共感は勝手な思い込みとは違う


共感力を示そうとして陥ってしまう過ちとして、思い込みや偏見がある。人の考えや感情を想像することはとても重要だが、建設的な関係を築く上での鉄則は、相手に質問し、相手の状況について真剣に耳を傾けることだ。

例えば、自分には離婚して一人で子どもを育てている姉がいるので、全ての母子家庭が抱える問題を理解していると思い込むなど、過度な一般化は避けること。また、自分自身の経験に基づいた思い込み(自分と同じ経験をしている人は、同じ問題を抱えていると推測すること)も避けよう。

自分の経験に基づいて他者の気持ちを考えることは共感のスタート地点にはなるが、思い込みや一般化のし過ぎは避けること。相手の状況を聞いて、その人のことを真の意味で理解しよう。

5. 共感は受動的なものではない


真の共感は受動的なものではない。なぜなら、人は誰かが抱えている問題を理解できたら、その解決に向けて何らかの行動を取りたいと思うものだからだ。共感には、人々に連絡を取ったり、支援を申し出たり、コミュニティーに働きかけたりといった行動が伴う。

学校で社会福祉学を学ばないと正しい行動が取れないのではと不安に思う人もいるが、そうではない。必要なのは、相手を気にかけていることを伝え、しっかりと寄り添い、適切なリソースを紹介することであり、それには本格的な教育や深い専門性は必要ない。間違った行動を取ったり、完璧なコミュニケーションが取れなかったりするかもしれないが、相手を気にかけていることを示すことが最初のステップとなる。

まとめ


共感は周囲の人だけでなく、自分にも良い効果がある。自分は誰かにとって大事な存在であると感じたり、他者とのつながりを感じたり、コミュニティーに貢献したりすれば、自分自身の幸福度も上がる。

共感は、人やビジネスのためになる。さらに、自分が互いにつながったコミュニティーの重要な一員であることを確認でき、自分自身のためにもなる。他者への共感を示すことで、誰かが自分に同じことをしてくれたときのありがたみが分かるようになるだろう。

編集=遠藤宗生

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