ビジネス

2022.04.17 17:00

TVタレントでNBAチームのオーナー。八面六臂の錬金術師の奥義とは


SPAC(特別買収目的会社)とは?


1 投資家探し

まず、スポンサー(出資者)は白地小切手会社を立ち上げ、上場の申請を済ませる。通常のIPOの場合、申請手続きに時間を要するが、実績がないため大幅に時間を短縮できる。

2 SPAC設立・上場

ほかの出資者を募り、資金を調達。スポンサーはIPOで発生する申請や法務にかかる費用を肩代わりし、上場申請していた白地小切手会社を「特別買収目的会社(SPAC)」として上場させる。

3 買収先企業探し

SPACは、将来性豊かな買収先企業を探す。買収候補が2年以内に見つからない場合、あるいは出資者の投票で拒否された場合は出資金が償還される。

4 合併・買収交渉

SPACはめぼしい買収先企業に合併・買収の話をもちかける。実績のないスタートアップでも、迅速に大型の資金調達ができる点も魅力になっている。

5 被買収企業も上場

買収提案が出資者の投票で承認された場合、SPACはすでに上場して得た資金と、さらなる出資者による資金を元手に買収候補を合併・上場させる。

伝統的なIPOの場合、企業はデューデリジェンス(企業に対する事前調査)やロードショー(機関投資家向けの会社説明会)、対外的な情報公開を禁止されるクワイエット・ピリオド(静粛期間)などがあって上場には時間がかかる。

審査するほどの実績がない白地小切手会社を上場させる「SPAC」の強みのひとつは、IPOまでにかかる時間を大幅に短縮できる点だ。

編集=森裕子 翻訳=木村理恵 文=クリス・ヘルマン

この記事は 「Forbes JAPAN No.091 2022年月3号(2022/1/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

ForbesBrandVoice

人気記事