自宅用検査キットを使用したと回答した人が、その主な理由として挙げたのは、濃厚接触者になったから(回答者の39.4%)、新型コロナウイルス感染症の症状が出たから(28.9%)、具合が悪くなったから(28.6%)、家族に会いに行くから(17%)だった。
それに対して、自宅用検査キット以外の検査を受けたと回答した人がその主な理由として挙げたのは、旅行に行きたいから(23.2%)、濃厚接触者になったから(19.4%)、職場/学校から受けるよう求められたから(17.4%)、新型コロナウイルス感染症の症状が出たから(16.7%)だった。
そこから見えてくるのは、自宅用の検査キットは体調に不安を感じた場合に使用される傾向があるのに対し、それ以外の検査は、職場や旅行のために必要となった場合に受ける傾向があることだ。
自宅用検査キット使用における格差はおおむね、ワクチン接種における格差を反映している。そして、最も疎外されていると思われるのが黒人だ。とはいえ、米医師会(AMA)発行のジャーナル「JAMAネットワーク・オープン」で2022年1月21日に発表されたある研究によれば、2021年にワクチン接種忌避がより速やかに解消されたのは、白人ではなく黒人だったようだ。
そうした変化の一因として、黒人コミュニティを守るためにはワクチンが必要だという考えが広まったことを、研究者は挙げている。
米バイデン政権は、10億個の自宅用検査キットを米国民に無料配布すると約束しているが、その際、こうした無料配布は、社会的に最も弱い世帯の多い地域、ならびに、感染率と死亡率が最も高いコミュニティを優先すると述べている。