影響を受けた取引にはIPOや債権、融資、M&Aなどが含まれる。
ブルームバーグによると、2月下旬以降に約50社がIPO計画を中止しており、そこにはバイオテクノロジー企業のBioxytranや、メディア・金融サービス企業のCrown Equity Holdings、製薬企業のSagimet Biosciencesなどの米国で上場予定だった30社が含まれている。
コンサルタント会社EYによると、1月から3月までに世界で行われた約320件のIPOの調達総額は約540億ドルで、前年同期比で51%の減少だった。
M&A市場では、ロシアの侵攻開始以来、総額で50億ドル以上に及ぶ10件が延期になり、1〜3月の世界のM&Aの取引額は前年同期比15%減の1兆200億ドルに減少したとブルームバーグは報じている。最も影響を受けたのは、欧州だったという。
また、債券の発行額は、今年に入り世界で14%減少したとされる。
2021年の世界のIPOの調達額の合計は5940億ドルと、過去最高を記録したが、今年は地政学的な不安や、インフレを抑え込むための金利上昇が投資家たちを脅かしている。
市場の恐怖心を測る指標とされるCboeボラティリティー・インデックス(VIX)は、ロシアがウクライナに侵攻した際に30を超え、年初からの平均は26を超えている。ゴールドマン・サックスやJPモルガンなどの大手は、ロシア市場から距離を置いている。