EQTの株価は、3月16日に12%近く上昇した。これは、香港のビリオネア、ジーン・サラタ(Jean Salata)が率いる投資会社ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(BPEA)を75億ドルで買収したとのニュースを受けてのことだ。
この株価上昇により、16日の市場取引終了時点でForbesが計算したところでは、EQTのパートナー、レナルト・ブレッシェル(Lennart Blecher)とペール・フランツェン(Per Franzén)、さらにはクリスチャン・シンディング(Christian Sinding)CEOそれぞれの資産が11億ドル前後に達し、ビリオネアになった。EQTのパートナーには、そのほか4人のビリオネアがいる。
195億ドルの資産を運用するベアリングの買収は、現金17億ドル、EQT新株1億9100万株でおこなわれる。買収完了は、2022年第4四半期になると見込まれている。
EQTの創業者コニ・ヨンソン(Conni Jonsson)、元CEOのトーマス・フォン・コック(Thomas von Koch)、パートナーのハリー・クラグスブルン(Harry Klagsbrun)、最高執行責任者(COO)のキャスパー・キャレルストロム(Caspar Callerström)は、この買収以前からすでにビリオネアだった。
ヨンソンが1994年に創業して以来、EQTはスウェーデン最大のPEファンドに成長し、運用資産はおよそ734億ユーロにのぼる。EQTはおもに未公開株式に投資しているが、ベンチャーキャピタル、不動産、インフラにも資金を投じている。
シンディングCEOは、買収を発表した声明のなかで次のように述べている。「アジアでの足場の拡大は、IPOの際に定めた当社の戦略的目標の一環だ。当社がグローバルな土台を固め、アジアのプライベート市場で構造的な成長機会に投資できる位置につくうえで、アジア地域で定評があり、最高のパフォーマンスをあげているBPEAはまたとないチャンスになる」
Forbesは、EQTの広報担当者にコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。
EQTは今回の買収により、6人以上のビリオネアを擁する一握りの企業に加わった。具体的には、グーグルやフェイスブックのほか、中国の電池会社であるCATL(寧徳時代)、中国の調味料会社であるフォーシャン・ハイティエン・フレーバリング・アンド・フード(仏山市海天調味食品)などだ。
グーグルとフェイスブックには、創業者、経営幹部、初期出資者などに8人のビリオネアがいる。Forbesの調べによれば、CATLとフォーシャンのビリオネアは9人だ。
EQTの株価は、過去5年で3倍以上になっている。