キャリア・教育

2022.03.15 08:00

従業員のオフィス勤務復帰を促す福利厚生とは

Photo by Hinterhaus Productions / Getty Images

Photo by Hinterhaus Productions / Getty Images

従業員にフルタイムでオフィス勤務を継続させる、あるいはオフィス勤務に復帰させる上で、企業はオフィスで働くメリットを真剣に増やす必要がある。

米国の労働者が在宅勤務に慣れてしまったことは事実だ。米調査会社ギャラップの調査では、労働者の37%が完全在宅勤務を続けたいと考えていて、54%はハイブリッドモデルを好み、フルタイムのオフィス勤務に戻りたいと答えた人はわずか9%であることが明らかになった。

また、在宅勤務をしたことはないが遠隔でも可能な仕事に就いている人の間では、48%が在宅勤務を試したいと考えていた。

新型コロナウイルス感染症が流行する前の企業構内では、食事やコーヒー、コンブチャ、敷地内ジムやロッカー室、ゲームセンターなどの福利厚生が提供され、従業員を引きつけてきた。多くの企業はシャトルバスや通勤手当も提供していた。

ところが現在、こうしたメリットではなかなか大きな変化がなく、雇用主はこうした福利厚生を見直している。多くの企業はシャトルバスのサービスを停止し、敷地内ジムはポストコロナ時代を踏まえ、収容人数と清掃面で新たな課題に直面している。

小さな企業では、会社のオーナーや人事は難しい問いに答える必要がある。それは、従業員が強い関心を持っているものは何か、個人・仕事における価値観はどのようなものか、オフィスで安心や生産性を感じ、自分が評価されていると感じるものは何か、最高のパフォーマンスを発揮する上でどのような空間や技術が必要か、燃え尽き症候群を防ぐ福利厚生には何があるか、などだ。

こうした難しい問いについて考えることが、従業員に合った福利厚生を見つける上で効果的だ。ここでは、先見の明のある企業が2022年に従業員向けに提供している福利厚生を紹介する。

1. 充実した有給休暇


私たちが決して取り戻せない唯一のものは時間で、過ぎた時間は取り戻せない。複数の研究からは、基本的なニーズを満たす以外に長期的な幸せをもたらすものは物理的なものではなく、体験だということが示されてきた。

企業の中には、自由休暇方針(有給休暇)を提供しているところもある。この制度では、従業員は充電のため必要なだけ時間を取れるようになっている。ただし締め切りは守り、成果は出さなければならない。

自由休暇方針は、従業員を生産性の運転席に座らせるものだ。この方針を採用している企業は、従業員がウィンウィン(互いに満足できること)を念頭に置いて責任感を持ち、自分と会社の双方にとって最善の選択を目指すことを期待している。

2. 柔軟なスケジュール


従業員は、1日8時間の週40時間勤務に縛られたくないと思っている。先見の明のある企業は、長時間勤務が高い生産性につながるわけではないことを既に学習済みだ。従業員に、1日の中で最も生産的に働ける時間帯を見つけるチャンスを与えよう。
次ページ > 柔軟な勤務スケジュールのメリット

翻訳・編集=出田静

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事