日本のCBDに関する法律のホント

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なぜ一気にHHCが流行しているかというと、背景としてTHCに非常に近い効果(精神作用・陶酔作用)が期待できると言われている。

国内においては上記の通り、THC成分は所持することを禁じられています。しかし当時、HHCについては「違法ではない」と考えられているため、日本で流行し始めています。

※次回の記事で出しますが3月7日に指定薬物となり17日より施行されます。

HHCは、カンナビノイドとして自然の大麻草にごく微量含まれていますが、大量に生成する場合には、THCから化学合成し生成されます。

現在、合成カンナビノイドは、麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)の適用を受け違法成分となります。これは、ひと昔前に流行した「脱法ハーブ」において規制されました。

しかし、今回のHHCは、もともと自然界に存在している成分から生成しているため一般的な「合成カンナビノイド」と言えず、言うなれば通称「半合成カンナビノイド」という括りで認識されています。少なくとも現時点では麻向法の適用となっていません。

しかし、HHCに関して、第4回CBD議連において厚生労働省から議題として挙がり、THC規制と同時に、類似物質(HHCなど)の規制に関して話し合いが行われ、精神作用の有無などに焦点が当てられて議論がなされました。厚労省としては、規制対象として動き始めていると考えるのが妥当だと考えます。今後も「脱法ハーブ」と同じように、新たな成分が登場してくると思いますが、慎重に新しい成分に関しては取り扱う必要があると考えます。

※追記
3月7日に厚生労働省よりHHCを含む新たに6物質について新たに省令で指定薬物になることが発表されました。3月17日より施行なので、それまでにお手持ちのHHCは適切な形で破棄いただきますようお願い致します。HHCについてはまた別の記事で早急に詳しく書かせていただきたいと思います。

CBDやHHCに関する今後の流れ


ここまで、現行法や法解釈による現在の状況、これからの大麻取締法などの改正・規制の流れについて書いてきました。

現在はまだCBDを取り巻く状況はグレーな部分が多いと言わざるを得ないですが、法改正により「成分規制への移行」「THCフリーの基準」が実現していくと予想されます。

現在の日本において、CBDですら社会的なイメージは決して良くはありません。だからこそ、現在の「大麻」というバイアスがかかった固有名詞でなく、各有用な成分として「CBD」や各カンナビノイドが個別認識されるよう、法改正と同時に文化醸成も必要だと思います。

まだまだ社会に受け入れてもらうためには、多くのハードルが存在します。しかし、一つ一つ丁寧にプロセスを踏んで解決していくことは変わりません。

世界では、大麻に関するルールの改定が始まり、着々と進んでいます。これに伴い、その市場も広がりを見せています。世界の市場拡大に乗り遅れないためにも、日本が世界の市場に飲み込まれない為にも、日本の健全な市場形成を促進していければと思います。

文=柴田耕佑

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