日本のCBDに関する法律のホント

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大麻取締法改正へ


上記のようなTHCに関するルールが曖昧であると、今後も上記の3社のように適切なプロセスを踏んで輸入しているにもかかわらず、行政発表をされてしまう危険性をCBD事業者は常に抱えることになります。また、意図的にTHCを多く含有したCBDの輸入も可能になってしまいます。

このままでは、大企業がレピュテーションリスクを恐れて参入できず、CBDの市場を発展させることは困難です。

このような状況を鑑み、厚労省は2021年から有識者会議を開催しており、その中で「医療大麻の解禁」、「部位規制から成分規制の移行」、「大麻使用罪の創設」などの話し合いが行われています。

時を同じくして、自民党の再犯防止推進委員会に大麻撲滅プロジェクトチームが立ち上がり、ほぼ同様の会議がなされ、その議事録が当時の法務大臣へ提出されています。

しかし、上記2つの議論では成分規制の重要な部分である「THCの基準」に関して具体的に議論されていませんでした。

そこで、河村建夫当時議員と松原仁議員が中心となりCBD議連(カンナビジオールの活用を考える議員連盟)が創設されることとなります。

CBD議連は、CBDの健全な市場形成を目的に創設されたもので、2022年2月時点までに4回開かれ、国会議員は30名ほど、国からは厚生労働省監視指導麻薬対策課、農水省、経産省、法務省などが参加しています。

第2回目の開催では、私もCBD市場の現況を説明するとともに、「1. THCの基準値について」、「2. 食薬区分における非医薬品リストへの収載」に関して要望書にまとめ、約120社のカンナビノイド関連事業者の意見の総意として提出させて頂きました。

第4回では麻の栽培についても問題提起がなされ、国産の麻についての規制緩和についても議論されました。

厚労省はこれらの意見を今年中にまとめ、来年の通常国会での大麻取締法改正案提出に向けて動いています。

合成カンナビノイドと麻薬及び向精神薬取締法について


ここまで、CBDに関わる法改正について述べてきましたが、ここからは他カンナビノイドの規制についての話です。

先ほども少し触れましたが、カンナビノイドには非合成(天然)と合成が存在しています。ここに新たに、HHC(半合成カンナビノイド)というTHCに化学式が類似した物質が、日本国内で製品として出回ってきています。

勢いとしてはCBD以上に伸びており、一部界隈では熱狂的なファンがいるほどです。
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文=柴田耕佑

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