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2022.03.05 12:00

別荘を居住地に 米国で進むトレンド、その理由は?

Olena Tur / Shutterstock.com

新型コロナウイルスの流行により、多くの人は日々の生活が変化した。その結果、仕事を辞めて新たな場所に転居し、燃え尽き症候群を避けて人生を楽しむことに集中しようとする人が、かつてなく増えている。

中には、年中旅行をしているような生活を望む人もいる。米国で別荘を定住地に変えるトレンドを率いているのが、富裕層向けの保養地に住宅リゾートを建設するディスカバリー・ランド・カンパニー(Discovery Land Company)だ。

ディスカバリーが手掛ける施設はポルトガルやハワイなど26カ所に上り、オンサイト医療サービスや世界一流の料理、ゴルフやラケット競技の設備、さまざまな家族向けのアクティビティーを通年提供している。元々別荘としての利用を想定して作られたが、最近は日常生活の場として利用する人が増えている。

そのうちの一つ、米テネシー州ナッシュビルのトゥルーバドー・ゴルフ・アンド・フィールド・クラブでは、住宅375棟のうち125の所有者が本格居住を予定している。またテキサス州オースティンのドリフトウッド・ゴルフ・アンド・ラーンチ・クラブでは、これまでの同社施設と比べ、本格居住する人の数が大幅に増える見込みだ。ニューヨーク州ハドソンバレー地域にあるサイロ・リッジ・フィールド・クラブには、ニューヨーク市を離れ転居先を探す人々が集まっている。

だが、観光地に住宅を購入するのではなく、こうした施設が人気を集める理由は何だろう?その答えは、アメニティーとコミュニティーだ。

例えばトゥルーバドーでは、著名ゴルフコース設計者のトム・ファツィオが手掛けた18ホールのコースが用意され、世界一流の料理や、家族向けのアクティビティーも通年楽しめる。週末には、敷地内の屋外円形劇場で若手や有名アーティストのコンサートが開催され、ナッシュビルの音楽文化を存分に楽しめる。

ドリフトウッドにもトム・ファツィオが設計した18ホールのゴルフコースや、ワイナリー、陸上競技トレーニングセンター、有機農園、一流のスパ施設がある。サイロ・リッジではゴルフに加え、自家栽培の素材を使った料理、乗馬、釣りが楽しめる。

全施設は高いセキュリティーを備え、本格的な医療設備もある。また、多くは一流の学校の近くにある。トゥルーバドーはテネシー州のトップ3に入る学区にあり、ドリフトウッドもオースティンでトップ3に入る学区内に位置している。サイロ・リッジは、車で30分以内の場所に全米トップクラスの私立校が複数ある。

創業者のマイク・メルドマン会長は「利用者の大多数が、子どもを育てる上で楽しく安全な環境を探している家族だ。当社は、生活をより楽で便利にし、楽しめるようにしている。これは、不安定な今の時代に人々が求めるものだ」と語った。

編集=遠藤宗生

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