ビジネス

2022.02.11

頼まれごとを、「ノー」と言わずにうまく断わる言い方


「ご指示どおりであれば、できません(Not as asked)」


筆者は多くの場合、この言い方にたどり着く。ただしこの場合は、「ノー」と断言して終わるわけではない。正確には、「指示どおりにできるかという意味ではノーだが、やりたい気持ちはある。だから、代替策を提案したい」ということだ。

この断わり方が適切かどうかは、以下の点を考えてみればわかる。

・この仕事を引き受けられるようにするには、依頼された内容をどう修正すべきか。
・自分にとって意義ある仕事にするためには、どこをどう変えたらいいのか。
・どのような代替策を提案するのか。

「お引き受けする可能性はありません(Not ever)」


これは、絶対的な「ノー」だ。そして、この答えを口にする前に、上述した、「ノー」の代わりになる3つの断わり方について十分に検討しなくてはならない。この「ノー」とは、依頼された仕事が何であれ、自分にとって十分に高い優先順位がない、ということを意味する。

この断わり方が適切かどうかは、自分自身に対して、上記3つの回答の判断基準となる問いかけすべてを聞いてみればいい。

すべての問いかけに対して否定的な答えしか浮かんでこなければ、「引き受ける可能性はない」のだ。そのように答えたら、依頼してきた相手との関係にひびが入るのではないかと心配だとしたら、その関係そのものを見直したほうがいい。プロフェッショナルとしての関係は、その土台に、お互いの時間と労力を尊重する態度が必要だ。

このように、ノーとは少しニュアンスが異なる、しかし毅然とした断わり方をすれば、相手と良好な関係を維持しつつ、大事な仕事への集中力を保ちやすくなる。頼まれた仕事をひとつ残らず引き受けなくても構わないのだ、と思えるようにもなる。こうした断わり方を覚えておけば、何でもかんでも拒絶する人にならずに済むはずだ。

2022年は「もっとノーと言えるようになる」と心に決めたものの、(筆者のように)ノーは非常に言いづらいと感じているのなら、ここで紹介した「別の断わり方」をぜひ試してみてほしい。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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