賃金分析を行うことで、賃金格差の解消に向けた第一歩となる認識が生まれる。無意識の偏見が、雇用や賃金体系、昇進プロセスのどこに入り込んでいるのかを把握しなければ、組織には男女の賃金格差を是正する手立てがない。賃金データを分析することで初めて、問題の特定という、変化への第一歩が踏み出せるのだ。
この誓約は、カリフォルニア州ですでに定められている同一賃金要件に追加される。同州では、100人以上の従業員を擁する企業に対して、州の公正雇用住宅局への賃金データ提出が義務づけられている。これは、ニューサム知事が2020年に署名した法律に準じたものだ。
また、同州の同一賃金法(Fair Pay Act)では、「実質的に同一の仕事」に従事する異性の従業員に、不平等な賃金率を適用することを禁じている。
カリフォルニア州は、誓約に署名して賃金分析の実施に合意したと同時に、最高平等責任者のポストを新設した先駆けのひとつになった(イリノイ州が2021年に同ポストを設置している)。最高平等責任者は、男女の賃金格差是正を推進する方針やプログラムに注力することなどが職務となる。また、カリフォルニア州が労働力を活用するうえで、最高水準のDEI(多様性、公平性、包摂性)を達成できるよう取り組んでいくことも求められている。最高平等責任者は任命職で、今年中に選出される見込みだ。
ジェニファー・シーベル・ニューサムは、「男女同一賃金を実現しないことには、完全なジェンダー平等の達成は不可能であり、ジェンダーならびに人種間に存在する根深い貧富差の縮小も不可能だ」と述べ、こう続けた。「カリフォルニア州は、州最大の雇用主として模範を示している。他の雇用主に対しても誓約への署名を呼びかけ、カリフォルニア州で働く女性たちが評価を受け、尊重され、同一賃金を獲得できるよう取り組んでいきたい」
ジェニファー・シーベル・ニューサムはこの取り組みを、女性の地位向上を目指すカリフォルニア州委員会、ならびにカリフォルニア州労働コミッショナー事務局と共同で進めている。