米株式市場の暴落は継続へ、「買いのチャンス」との見方も

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株式市場の暴落が激化する中、大手投資銀行は顧客に最悪の事態が訪れる可能性があると警告しており、一部の専門家は、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに向かう中で、企業収益が引き続き期待外れに終わった場合、S&P 500はさらに11%も急落する可能性があると予測している。

S&P 500種株価指数は、ハイテク部門の5日連続の急落に引きずられ、1月24日月曜日の朝に約4%下落して4236をつけ、年初来で10%以上の下落となったが、終盤の上昇により前週末比0.4%高で取引を終えた。

ゴールドマン・サックスのデビッド・コスティンは、24日のメモの中で、第4四半期の決算シーズンが「期待はずれ」なスタートを切り、市場にトラブルをもたらす可能性があると書いている。彼によると、金利の上昇とFRBの刺激策の縮小により、年間の企業利益が2021年から4%減少した場合、S&Pは金曜日の終値から11%も急落する可能性があるという。

モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソンも同様のトーンで、「あと数ヶ月は身を縮めていよう」と顧客らに呼びかけた。

ウィルソンは、「強気になるのはまだ早い」と述べ、S&Pがさらに10%急落する可能性を警告する一方で、ペロトン(Peloton)のような銘柄が半年で75%も下落するなど、市場の「最も投機的な部分」が最も大きな打撃を受けていると指摘した。

FRBが利上げを開始するとインフレ率が低下することから、ウィルソンは、これまで物価上昇の恩恵を受けてきた消費財、アパレル、住宅関連株に「最も弱気」になっていると述べた。

ゴールドマンのコスティンは、市場全体の暴落を抑えるためには、インフレ率の鈍化などの何らかの触媒が必要だとしているが、インフレに歯止めがかかるのは第2四半期以降になると述べた。

「買いのチャンス」との見方も


ただし、誰もが市場の短期的な動きに弱気になっているわけではない。UBSプライベート・ウェルス・マネジメントのフランク・パナヨトは24日、年初からの株価の下落は「行き過ぎのように思われ、長期投資家にとっては買いのチャンスだ」と述べた。

彼は、歴史的に見てFRBが最初の利上げを行うまでの数ヶ月間、株価は好調に推移してきたと指摘する一方で、今年の市場は例年よりも変動が激しくなるだろうと注意を促している。「投資家は、近年慣れ親しんだものよりもボラティリティが高くリターンが少ない市場を覚悟する必要がある」とパナヨトは述べだ。

今週、注目すべき動きとしては、26日にFRBがいつ利上げに踏み切るかについての最新情報を発表することが挙げられる。さらに、アップル(27日)、マイクロソフト(25日)、テスラ(26日)などの大手ハイテク企業が決算発表を予定している。

FRBの関係者は先月、今年の利上げ回数の見通しを3回としていたが、ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストであるJan Hatziusは24日、以前の予想よりも「緊急性が高まっている」ことから、中央銀行は3月以降に4回の利上げを行うと予想している。

編集=上田裕資

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