これは、カリフォルニア州のファーストパートナー(知事夫人:2019年の知事就任時にファーストレディという呼び名を使わないと表明している)であるジェニファー・シーベル・ニューサム(Jennifer Siebel Newsom)が、男女の賃金格差是正に向けて着手した取り組みだ。知事のギャビン・ニューサムも同日、同州初となる最高平等責任者のポストを新設し、州政府職員の雇用に平等の視点を取り入れて、賃金平等の達成を推進すると発表した。
男女の賃金格差を州別に見ると、カリフォルニア州は下から4番目と、格差は小さいほうだ(格差が最も小さいのはバーモント州で、次がハワイ州とメリーランド州)。しかし、やるべきことはまだある。カリフォルニア州では、男性が受け取る賃金1ドルに対し、女性が受け取るのはわずか88セントなのだ。黒人、ラテン系、先住民の女性になると、賃金格差はさらに大きくなる。
ニューサム知事は、「カリフォルニア州政府が、州政府職員の賃金平等達成を推進するべく、同一賃金誓約に署名したと発表できることを誇りに思っている」と述べた。「この誓約への署名と、最高平等責任者のポスト新設は、州政府で働く人たちの状況が、経済的にも、ジェンダー、また人種の平等においても最高水準になるための、我々の継続した取り組みの最新の事例にすぎない」
この同一賃金誓約に署名した組織は、年に1度の全社的なジェンダー賃金分析を実施することになる。分析内容を公表する義務はないが、組織はその分析結果をもとに、雇用や昇進のプロセスを評価して無意識の偏見を削減し、最終的には賃金格差を解消していく。
カリフォルニア州では、Airbnbやアップル、インテル、ツイッター、アパレル大手のギャップなど、多数の従業員を抱える大手企業60社以上が、この誓約にすでに署名済みだ。そしてこのたび仲間入りしたのが、同州最大の雇用主である州政府というわけだ。