売り上げの急増により、シーインの評価額は毎年劇的に伸びている。同社は2019年1月、約50億ドル(約5800億円)の評価額でセコイア・キャピタル・チャイナとタイガー・グローバル(Tiger Global)から5億ドル(約580億円)を調達した。
また2020年8月には、新規資金調達ラウンドで評論家らは評価額を150億ドル(約1兆7000億円)近くと推定した。現在では、500億ドル(約5兆8000億円)ほどの価値があるかもしれない。
ジェネレーションZに愛されるブランド
南京を拠点とするシーインは2008年に創業され、ジェネレーションZ世代の顧客に狙いを定めている。同社はインスタグラムやティックトックでのインフルエンサーの活用や、低価格でファッションを手に入れるため次々と提供される割引コード、毎週追加される数百点の新商品を通し、若い買い物客を引きつけている。
同事業が本格的に拡大を始めたのは2012年の初めの頃で、ワシントン大学を卒業した米国生まれの許がウェディングドレスの事業を諦め、シーインサイド・ドットコム(Sheinside.com)のドメインを取得したときだ。
初期は女性の服を扱っていたため、許は2015年に会社名をシーインに改名し、海外市場に焦点を定め、国内のファッション分野の競合の買収を始めた。
最近まであまり注目されず、ジェネレーションZ世代以外にはほとんど知られていなかったシーインにとっては米国が最大の市場となったほか、同社は欧州、中東、オーストラリア、米国に専用ウェブサイトを構え、約220カ国に出荷している。
シーインは、広東省仏山からロサンゼルス近郊の倉庫に商品を運び、米市場に商品を提供している。同社は、広東州南沙やベルギー、インド、米東西海岸に物流センターを持つほか、ロサンゼルスやリエージュ、マニラ、義烏、南京に7つの顧客サービスセンターを抱えている。