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2022.02.12

従業員向けのコーチングサービス、「大離職時代」の救世主に?

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今は労働者が関心の的となっている、働く人にとっては嬉しい新時代だ。企業側は、求職者を手厚くもてなし、既存の従業員には思いやりと感謝の意を示す必要性を実感している。

米国では、月々の求人数が何百万に上り、離職者も月単位で400万人に達している。企業幹部は不安げに、大きな変化の到来を察知している。そして、そんな状況に対処しようとして、さまざまな福利厚生を用意して人材を集め、採用し、つなぎとめようとしている。

かつては、企業側が残業代を払って従業員を黙らせ、長時間労働に精を出させていた。しかし今では、形勢が逆転し、管理職よりも労働者のほうが力を握っている。もはや、給与を上乗せしただけでは、求職者をうまく引き寄せて就職先として選んでもらうことはできない。現在の従業員を満足させてしっかり働いてもらうこともできないのだ。

労働者の真価を認めて感謝の気持ちを示そうとする企業が増えるなか、賢明な起業家たちは、こうした企業向けに、他にはない体験ができる製品やサービスを開発している。スタートアップ「タスクヒューマン」の最高経営責任者(CEO)ラヴィ・スワミナサン(Ravi Swaminathan)は、進歩的で先見の明をもつ創業者だ。同社は独自のプラットフォームを構築し、企業が現在の「大離職時代」に立ち向かい、才能のある人材の獲得競争に勝利を収められるよう支援している。

同社のアプリは、従業員のウェルネスを広範囲にわたって総体的に高め、より質の高い生活を送れるように導くコーチングサービスを提供している。

スワミナサンは、企業にとって最も価値ある資産は従業員だという信念の持ち主だ。そして、「誰もが、その人らしくあるべき」という考えを擁護している。つまり、企業リーダーは従業員一人ひとりに対し、各自のニーズや希望に応じて徹底的にパーソナライズされた支援を提供すべきという意味だ。

労働者たちは、自分の価値を認め、生活の質の向上につながる充実した方法を提供してくれる企業に、長く勤める傾向がある。そうした企業で働いていれば、モチベーションも生産性も上向く。

「企業が、時代に乗り遅れることなく、高い能力を持った従業員を保持していこうとするなら、何よりもすべきことがある。それは、従業員の一人ひとりが尊重されていると感じられるような環境を作ること。そして、従業員が健全な行動習慣を構築して、公私いずれの生活についても心地よく満足できるよう支援する態勢を整えることだ。そうすれば、従業員は職場を、自分の生活を支えてくれる非常に有益なリソースとみなすようになる」とスワミナサンは話す。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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