ビジネス

2022.02.01

「シビックタイプR」を売りまくる、栃木の「F1店長」とは?

2020年1月9日にベルギーのブリュッセルで開催されたブリュッセルエキスポで展示されたホンダシビックType-R (Sjoerd van der Wal / Getty Images)


こうした「お悩みに応える動画」には、視聴者数を増やす副次的な効果も期待できるという。

「視聴者の行動を見てみると、知りたいことや悩みをYouTubeで検索して、私たちの動画にたどり着く方がほとんど。YouTubeは視聴履歴と関連の高い動画を“おすすめの動画”として推薦してくれるという特性があるので、そこから別の動画も視聴してくださる方が多いのです。つまり、お客さまの悩みに応えることで、視聴者を集めることができるんです」

松本店長は動画を見てもらうために、SNSもフル活用している。例えばFacebookでは、車に興味のある「友達」を徹底的に増やし、その友達に動画の更新を逐次、伝えている。YouTubeの内と外で、動画への誘導を積極的に仕掛けているのだ。

ファン拡大のカギは「素人らしさ」?


多くの中小企業が、YouTubeの活用で苦戦を強いられている。だが、松本店長は「大企業よりも中小企業のほうが、YouTubeを活用しやすい」と断言する。

「中小企業の動画には、クオリティの高さは求められません。簡単にスマホで撮影したもので構わないのです。手軽に動画を作りやすい中小企業は、大手ができないことをやりやすいので、実はYouTubeに向いています」

実際、ホンダカーズ野崎の動画を見ると、どこか「素人らしさ」の残る編集となっている。それが中小企業独特の「味」となり、ファンの拡大に一役買っているのかもしれない。

同社がYouTubeに取り組んで3年弱。YouTubeをきっかけに、今後、何を目指していくのだろうか。

「将来は大好きなシビックタイプRを集めたミュージアムを開設したいですね。そこに視聴者の皆さんに来てもらい、YouTubeを超えた交流を深めたいと思っています」

文=下矢一良

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