こうした「お悩みに応える動画」には、視聴者数を増やす副次的な効果も期待できるという。
「視聴者の行動を見てみると、知りたいことや悩みをYouTubeで検索して、私たちの動画にたどり着く方がほとんど。YouTubeは視聴履歴と関連の高い動画を“おすすめの動画”として推薦してくれるという特性があるので、そこから別の動画も視聴してくださる方が多いのです。つまり、お客さまの悩みに応えることで、視聴者を集めることができるんです」
松本店長は動画を見てもらうために、SNSもフル活用している。例えばFacebookでは、車に興味のある「友達」を徹底的に増やし、その友達に動画の更新を逐次、伝えている。YouTubeの内と外で、動画への誘導を積極的に仕掛けているのだ。
ファン拡大のカギは「素人らしさ」?
多くの中小企業が、YouTubeの活用で苦戦を強いられている。だが、松本店長は「大企業よりも中小企業のほうが、YouTubeを活用しやすい」と断言する。
「中小企業の動画には、クオリティの高さは求められません。簡単にスマホで撮影したもので構わないのです。手軽に動画を作りやすい中小企業は、大手ができないことをやりやすいので、実はYouTubeに向いています」
実際、ホンダカーズ野崎の動画を見ると、どこか「素人らしさ」の残る編集となっている。それが中小企業独特の「味」となり、ファンの拡大に一役買っているのかもしれない。
同社がYouTubeに取り組んで3年弱。YouTubeをきっかけに、今後、何を目指していくのだろうか。
「将来は大好きなシビックタイプRを集めたミュージアムを開設したいですね。そこに視聴者の皆さんに来てもらい、YouTubeを超えた交流を深めたいと思っています」