当然のことだが、1つの組織の中では、特定の部署に、上にあげた4つのうち特定のタイプの人が集まる傾向がある。リーダーシップIQのテスト結果では、 IT部門では分析型が全体の35%を占めることが判明している。一方、人事部門では、37%が人格型だ。金融分野では、60%が分析型あるいは直観型という結果が出ている。
話をする相手がどんな集団に属しているかにかかわらず、まずは探りを入れ、相手が一番聞きたがっていることが何なのか尋ねるのは、常に良い方法だ。もちろん、ある程度長いあいだやり取りを重ねていれば、人生やキャリアのなかであなたにとって最も大切な人たちが好むコミュニケーションのスタイルが、尋ねるまでもなく、おのずとわかってくるはずだ。
ある状況について、こと細かに報告している時に、上司が明らかに興味を失っていることに気づいた場合、その上司は、結論だけを求める直観型である可能性が高い。また、先週のミーティングで、誰が何をどの人に言ったか、さらに細かい情報を知りたがり、しきりに尋ねてくる同僚がいたら、その人は人格型と考えられる。一番の得意客が、最初に戻って、状況を逐一説明して欲しいと頼んでくることがしばしばあるようなら、その顧客は機能型であると考えて良いだろう。
このように察することはできるとはいえ、聞きたいことを相手に直接尋ねることで、コミュニケーションは格段に容易になるはずだ。相手が求めているコミュニケーションのタイプがわかれば、「彼らが聞きたいことを間違いなく伝える」ことを、シンプルに目指せばいい。そしてそれこそ、真のコミュニケーションの達人になるための重要なステップなのだ。