「僕が知るかぎり、発明家とかエンジニアっていうのは、みんな僕とよく似ている。人づきあいが下手で、自分の中に閉じこもっちゃうタイプだ。アーティストと似ているかもしれないな。いや、最高の発明家とかエンジニアっていうのは、『じつは』アーティストなんだ。『そしてアーティストが真価を発揮するのは一人で仕事をするとき』……企業という枠組みの外側、マーケティングだのなんだのの委員会でよってたかって設計するような場所じゃなく、自分一人で好きなように設計できるときだ」
内向的な人間は、自分の考えに情熱を持っている
内向的な人間は必ずしも、影響力を手に入れようとか、注目の的になろうと考えたりはしない。『静かな力:内向型の人が自分らしく生きるための本』(邦訳:学研プラス)の著者スーザン・ケインは、こう書いている。
「内向的な人間は生まれつき、一つか二つ、あるいは三つほどの事柄について情熱を傾けるようなところがある。―中略― 自分が情熱を抱くことのためなら、社会に出ていって仲間やネットワークをつくり、専門知識を身に着けて、実現のために必要なことならどんなことでもやる」
内向的な起業家は、個人の栄光のためよりも、むしろ仲間の役に立つよう力を注ぐのだ。
内向的な人間は聞き上手
内向的な人間は一般的に、人の話を聞いたり、他者の気持ちを理解したりするのがうまい。そういった特性は、クライアントや従業員を相手に耳を傾け、適切な質問を投げかけることが大事な場面において貴重だ。
内向的な人間は、言うに値する話があるときにのみ口を開き、混乱のさなかでも平常心を保つ。一歩下がって状況を観察し、分析することが強みだ。内向的な起業家は、聞き上手であるのに加えて、最善の解決策をつねに模索する。決断を下す際には、自分のエゴを脇に置き、他の人のアイデアを吟味できるわけだ。
内向的な人間は、考えてから行動する
外向的な人間はいつも人々に囲まれているが、内向的な人間は一人の時間を楽しむ。一人で過ごせば、問題を冷静に処理して分析する時間が生まれるので、次の動きを計画することができる。
起業してまもない、単独で働く時間が長い最初の数年間においても、「一人だけの時間」の良さをわかっていることがプラスに働く。