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2022.01.19

会議で思わずイラッと? その感情、「トレーニング」可能です

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責任範囲が広がるとともにタスクが増え、一つひとつを追っているうちにそれに比例して労働時間が長くなり、なのに、成果は必ずしもそれに比例しない──。

仕事を続けていくなかで誰もが一度はぶつかる悩みではないだろうか。とりわけ、いまだに家事育児の負担が大きいとされる日本のワーキングウーマンにとって、時間は、仕事でもプライベートでも、いくらあっても足りないものだ。

こんな壁や悩みを軽やかに飛び越えて、二人の子育てと代表取締役社長として経営に携わる仕事を両立し、さらにはトライアスロンやフルマラソンでも成果を出し続けているという、野上麻理さん。そんな「スーパーウーマン」的な著者によるこの本『ピークパフォーマンス 効率と生産性を高め、成果を出し続ける方法』には、「パフォーマンスを最大化するためには『時間』をマネジメントするのではなく、『エネルギー』をマネジメントして増やす」というアプローチが紹介されている。

実は筆者は、野上氏の講演を拝聴する機会に恵まれたことをきっかけに、この本を手に取った。筆者が本の内容と講演の両方で印象に残ったポイントを、以下にご紹介する。


「エネルギーマネジメント」の根本とは?


エネルギーは「身体」「感情」「思考」「精神」の4つに分かれていて、それぞれを管理し増やすことで最大出力を生み出し、「仕事も私生活も両方充実させる人生が叶う」のだという。本書には、これらのエネルギーを管理し増やす方法が著者自身の経験も交えてわかりやすく提示されている。

エネルギーマネジメントの根本となるのが身体のエネルギーだ。「生物としての自分を管理して、よいエネルギーを摂取し、運動をして、睡眠をとって、健康であることは、パフォーマンスのもっとも効果的な管理方法である」。本書では、身体のエネルギーの管理の方法として、よい食事・よい睡眠をとることのほか、運動習慣をつけることが推奨されている。

仕事でベストコンディションを保つために運動を推奨する本は昨今珍しくはなく、運動習慣をつけると、体調に左右されることが少なくなって仕事に取り組みやすいのは筆者自身も実感するところだ。だが、本書はそこでは終わらない。本書による新しい提案は、運動習慣を味方に身体のエネルギーを管理することをベースに、感情や思考、精神のエネルギーをもまるっと含めてマネージすることで最大のパワーを生み出すことができる、というものだ。


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文=高以良潤子 編集=石井節子

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