日本「ネット速度世界新記録」再び、米平均の760万倍

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また日本で記録更新だ。

日本のエンジニアが世界最速の毎秒319テラビットの伝送速度を達成したという。いったいどれほどの速度なのか。現実世界に置き換えれば、1秒間に8万本の映画をダウンロードできる速度である。日本に住んでいて良かった! となるレベルではないだろうか。

インターネット速度の世界最速記録を破るために、情報通信研究機構(NICT)の研究チームは、通常の1コア光ファイバではなく、4コア光ファイバを用いて実験を行った。さらに、異なる波長の光信号を一つの光ファイバで伝送する波長多重方式と複数の光増幅方式を組み合わせて、毎秒319テラビット、3001kmの長距離伝送を実現したのである。

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日本のインターネット世界最速記録(Wonderfulengineering.com)

これまでのインターネット速度の最速記録を振り返ると、オーストラリアの研究者がマイクロコームと呼ばれる光学チップを用いて毎秒44.2テラビットという速度を達成した。のちにこの記録は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン電子電気工学科のリディア・ガルディーノ博士によって破られる。ガルディーノ博士は、Xtera(エクステラ)とKDDI総合研究所と協働し、毎秒178テラビットというデータ伝送速度を打ち立てた。これは、既存の記録より4倍も速く、1秒もかからずにNetflixにある動画をすべてダウンロードできるスピードだった。

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(Wonderfulengineering.com)

今回の新記録は、このガルディーノ博士の記録より2倍も速く、アメリカの平均的な家庭のインターネット環境と比べて約760万倍も速い。もちろん、世界最速のインターネット速度を実現したこの波長多重方式と光増幅方式の伝送システムは安くはない。したがって、毎秒300テラビットが自宅で手に入るなんてミラクルが起きるのは、残念ながらもう少し先になりそうだ。

(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)

翻訳=上林香織 編集=石井節子

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