「米史上最大級」のインフラ法案、主な内訳は

ZRyzner / Shutterstock.com

ジョー・バイデン米政権の看板政策のひとつである1兆2000億ドル(約136兆円)規模のインフラ投資法案が5日に下院で可決された。上院はすでに通過しており、バイデンの署名を経て成立する。米国史上、最大級のインフラ法案となったこの法案に盛り込まれた予算の内訳をまとめた。

道路・橋=約1100億ドル:新規投資分5500億ドルのうち、1100億ドル近くは全米の道路や橋の補修に充てられる。

公共交通機関=390億ドル:公共交通機関の近代化、高齢者や障害者のアクセス向上、バス2万4000台超や鉄道車両5000両、線路の補修に投じる。連邦政府による公共交通分野への投資としては過去最大規模となる。

全米鉄道旅客公社(アムトラック)=660億ドル:高速鉄道の整備や安全性の向上、首都ワシントンとボストンを結ぶ区間の近代化などに手当てした。半世紀前にアムトラックができてから最大の投資となる。

ブロードバンドインターネット=650億ドル:高速大容量通信インフラの整備には成立済みの米国救済法でも巨額の予算が盛り込まれたが、さらに650億ドルが確保された。25%の世帯が月30ドルのネットアクセス補助を受けられるようになる見通しだ。

電力網=650億ドル:送電線の新規敷設や環境に優しいスマートグリッド技術などに投資する。ただ、クリーンエネルギー関連の多くの措置は「支出疲れ」の議員らを説得できず、法案から削られた。

電気自動車・バス・フェリー=150億ドル:幹線道路沿いのものでは全米初となる充電スタンド網の整備に75億ドルを投じるほか、電動バスに50億ドル、電動フェリーに25億ドルを振り向ける。

清潔な飲み水=550億ドル:ミシガン州フリントなどで起きた水危機を受けて、全米の鉛製の給水管などをすべて取り替える。清潔な飲料水の確保に向けた投資としては過去最大規模となる。

大河・大湖=480億ドル:水インフラの補修に充当し、うち約10億ドルは五大湖エリア周辺にあるホットスポット(重工業施設からの排出物によって汚染された場所)の大規模な浄化計画「五大湖回復イニシアチブ」に振り向ける予定。

空港=250億ドル超:国内各地の空港の近代化に充てる。

道路の安全=110億ドル:州や自治体が域内での衝突事故や事故死者、とくに自転車利用者や歩行者の事故や死者をへらす新たな取り組みなどに支出する。

編集=江戸伸禎

ForbesBrandVoice

人気記事