2013年9月にオックスフォード大学で出された論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT」が、AIにより失われるだろう将来の職種をはじめて分析したとされているが、AIが発達しても、代替ならないのがヘアカット=散髪技術であるらしい。想像力を膨らませてもロボットが髪の毛をオシャレにカットするのは相当未来のような気はする。
そうなると、日本の将来の労働人口にある程度の比率が残るのが美容関連業だろう。そう考えても、やはり美容業界から立候補があってもいいだろう。現在思いつくのは元資生堂の東京港区議のやなざわ亜紀区議くらいかもしれない。男性ではあるが、今年に入って広島の衆議院議員の小林史明議員が、美容師法の改定を提案し、彼のHPに掲載している。
そもそも美容師法がきまったのが戦後すぐで、その流れでいまの国家資格試験が設定された。戦前の髪型を誰もいま原宿のサロンでオーダーしないのに、いまの国家試験の項目にはこの旧時代の髪型関連の試験がある。多くの女性に支えられている業界をリードする小林議員のような男性議員は稀有で、女性議員の勢力がもっと大きくなると美容業ももっと活気がでてくると思う。
このコラムを書いている11月は七五三や叙勲の時期だが、こういった儀式や冠婚葬祭も、すべて美容がなくてはならない。美容業界の活気が、伝統的家族行事の承継にも直結している。
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山岳用品の大手、モンベル創業者の辰野社長は「重くて、デザインの悪いものばかりの山岳用品の市場が変わった。多くの女性が登山に興味をもちはじめたことで、軽量化、デザインの種類が増え新しい市場ができた」と著作で述べている。
女性がつくるマーケットは大きいのだ。女性視点の社会を「ジェンダーギャップ」とか社会課題で難しく考えるより、新しい市場の開拓と捉えたら、日本の社会変革はもっと早いかもしれない。その延長に女性政治家の活躍が見えてくる気がする。
連載:オトコが語る美容の世界
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