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旅とコミュニティにまなぶ

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多拠点生活、ワーケーション、バンライフ。暮らしの多様化がここ数年急速に進んでいる。その背景には、ラウンジをワークスペース利用できる手頃な価格の宿泊施設増加や、国内線全路線が1カ月間乗り放題の「Peachホーダイパス」といった新たな運輸サービスの台頭など、ハードおよびソフト面のインフラ発展も大いに寄与している。

全国900以上の宿泊施設を定額利用できるHafHでは、2019年4月にサービスを開始以来、有効会員数が2万人を超えた(2021年8月時点)。

また、リクルート住まいカンパニーが行った「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査」によれば、2拠点生活への意向を持つ人の割合は、2018年11月調査の14%から、2020年7月調査では27.4%に増加している。

注目が集まる多拠点暮らしと、それに役立つ「ミニマル化」と「非合理性」というふたつの考え方について、2015年から国内外で多拠点暮らしを送ってきた筆者が紹介する。

多拠点生活とは



DENIM HOSTEL floatから望む瀬戸内海

多拠点生活とは、その名の通り、気が向くままに日常生活や仕事の拠点を移していくライフスタイルだ。複数地域に住居を持つ人もいれば、ベース拠点を持ちつつ旅の延長で他の地域を渡り歩く人もいる。

私の場合、年間通じて旅に出る機会が多く、ベース拠点を手放すことでより柔軟に土地をめぐる暮らしへと切り替えた。ミラノで春を過ごすこともあれば、秋田で夏の生活を送ることもある。当時は極端にも思えたが、行動範囲が広がることに加え、地域の繋がりができることで帰る“場所”が日本全国に増えていく感覚を得られた。

近年増加しているのは、このように拠点を持たず旅をするように生活圏を変えていく人々。動機は多種多様だが、無類の旅好きであったり、移動による環境変化や新たなインプットを仕事に活かしたいと考える人も多い。コロナを契機に暮らしを見直し、住環境を柔軟に変化させたいと考える人が確実に増えている。

ミニマリズムが豊かさの鍵


多拠点生活の価値を最大化させる秘訣はミニマル化だと思う。モノの断捨離もその一つ。極端な例だが、私は機内持ち込み可スーツケースと容量33Lバックパックで、いつでもすぐに動ける荷物量で暮らしている。

そこまで減らさずとも、常に必要なもの、大事だが手元に置く必要がないもの、あまり必要性がないもの、と日頃から分別することを習慣付けると、断捨離も楽になる。キャンプギアや冬用ニット・ブーツなど使用頻度が低いものは、月額275円から利用できる宅配収納サービスのサマリーポケットなども活用すると良い。

身の回りを整頓することは、頭の中の整理にも役立ち、心理的にも物理的にも身動きが取りやすくなる。すると、気軽に環境を変えてリフレッシュするという多拠点生活のメリットをより享受できるのだ。裏を返せば、環境を変えることに心理的・物理的いずれにせよストレスを感じてしまうと多拠点生活は上手く行かないともいえる。

文=Matt Masui

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