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マッキンゼー・アンド・カンパニーが毎年実施している「Women in the Workplace(職場における女性たち)」は、女性を対象にしたものとしては最大規模の調査だ。

このほど発表された2021年報告書では、女性の社会進出の遅れや、複合差別(複数の社会的アイデンティティが重なり合って生まれる差別体験)、燃え尽き症候群といった、予想のつく問題がいくつか強調されている。

その一方で目を引いたのが、とある女性バイスプレジデントの発言だ。「感情労働(emotional labor)は現在、あって当然のものだと考えられていると思う。私たちは、売上に非常に焦点を当てる一方で、コロナ禍の世界でチームを遠隔マネジメントするために必要なスキルには目を向けていない。そういったスキルや感情労働については、正式には認知されていないし、強く意識されてもいないと私は思う」

感情労働とは何か


専業で育児をする親たちの経済的な貢献がなかなか評価されないのとほぼ同じようなギャップが、職場にも存在している可能性がある。ここで言う感情労働とは、無給で行われる目に見えない労働だ。目に見えないとはいえ、感情労働は、職場の問題を解決するにあたって重要な役割を担っている。

仕事の合間に、同僚や部下の話を聞いたり相談に乗ったりして、メンタリングやカウンセリングを行っている人のことを考えてみよう。そうした行為は、確かに仕事ではあるが、その分の給料は支払われていない。マッキンゼーの報告書によれば、直属の部下を精神的に支えている女性マネージャーは31%にのぼる。一方で、男性マネージャーの場合は、わずか19%にとどまっている。

パンデミックが収まらないなかで、従業員に対する精神的なサポートが新たに必要となっている。マネージャーたちはにわかに、不安や不透明感、うつや悲しみなど、心身の健康を巡るありとあらゆる症状を支援することが期待されるようになった。そして、そうした支援に取り組んだのはおおむね、男性よりも女性のほうだった。

マッキンゼーの報告書では、多様性や公正さ、包摂性(インクルージョン)にも光が当てられている。それによると、そうした重要な取り組みに取り組む傾向は、女性の上級管理職のほうが、男性の上級管理職より2倍も強かった。多くの企業では、多様性や公正さ、包摂性については通常業務に加えて取り組むことだとされており、その努力が正式に評価されることはない。

それにもまして気になるのは、企業の87%がそうした取り組みを不可欠だと考えている一方で、実質的に評価を行っている企業はわずか25%だったと報告書で明らかにされている点だ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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