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2021.10.03 12:00

車好き必見 「007」最新作は伝説の英国車がオンパレード


ところが、ボンドの敵が乗るのはJLR製の車両。今回、ボンドを追いかける主な車両は先ほど触れた4WDのSUV「ランドローバー・ディフェンダー」と「レンジローバー・スポーツSVR」と、どちらも高性能モデル。どの路面でも、どの状況でも平気で走れるというディフェンダーが空中を飛んだり、泥の道を走行したりするのに対して、レンジローバーSVRは、トヨタ・プラドを追いかけながら、石の壁をスプリングボードとして使って飛んで転倒して派手にクラッシュするというシーンもある。ジャガーXFはDB5と衝撃なチェイスをしてから、DB5のマシンガンの弾をいっぱい受けることになる。

3台のディフェンダー

宙を舞うSVR

ジャガー・ランドローバー・ジャパン(JLR)の広報部員に映画について聞いてみたけど、「ウチのクルマは敵側としてボンドを追いかける役割なので、面白いと思いますよ」と苦笑いしながら言ってくれた。それを聞いて思ったけど、それってかなり難しそうだ。追いかける側は、追いかけられるより派手に走らなければならない場合が多いので、性能が優れていないけないだろう。

SVRのカーチェイス
SVRのカーチェイスシーン

確かに、これだけの名車が登場すれば、楽しくない訳はないけど、ボンド映画で見逃せない部分は、カーチェイスとアクションだ。CGIというか特撮は絶対使われないのが、007映画のルールだろう。特にカーチェイスの場面は全て本物の車両が使われるし、事故る時はクルマごと転倒したり潰れたりしているのが、アクションとしては最高だ。ボンドが着るトム・フォードのスーツは素敵だし、多くの男性が欲しがる「ボンドのセーター」も見逃せないだろう。

これは、007役を演じてきたダニエル・クレイグの最後のボンド映画と言われている。だから、彼もいつもより気合いが入っているので、見る甲斐がある。監督を担当したケリー・フクナガのおかげで、いつもよりもユーモアが加えられているし、クライマックスは007映画の中で一番出来がいいし、目が点になるほどのサプライズが待ち受けている。

同作の欠点があるとすれば、それは映画の長さだね。165分という公開時間は、最も長い007の映画となるけど、ストーリーとアクションが次々展開するので、長く感じることはなさそう。とにかく「ノー・タイム・トゥ・ダイ」は凄くよくできているし、カーチェイスの場面も業界一なので、ぜひチェックしてみて欲しい。それに、映画のテーマ曲を歌うビリー・アイリッシュもタイムリーな選択だろう。

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら

文=ピーターライオン

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