今でも良く覚えている。昨年3月末、ロンドン近辺で新型ランドローバー・ディフェンダーを試乗して、007の新作の試写会に出た直後、同作のスタントマンにインタビューすることになっていた。あ〜、残念ながらその企画は全部流れた。
あれから18カ月。ついに「ノー・タイム・トゥ・ダイ」が公開され、僕が乗るはずだった敵側のディフェンダーが堂々と登場するチェイスシーンはスリルそのもの。実は、この映画には注目の英国車が少なくと「7車種」は登場する。
簡単に分けると、ボンドが乗るのは、アストン・マーティン車で、敵側が乗ってボンドを追いかけるのは、ジャガー・ランドローバーの車両になっている。
しかし、スーパーカーのファンにとって、僕の記憶では1作に4台のアストンマーティンが登場するのは初めて。もちろん何といっても、1964年の「ゴールドフィンガー」に初登場した伝説的な〈DB5〉が一番注目されるし、豪快に繰り広げるドリフトシーンは実物。敵の軍団に囲まれたボンドが、クルマをぐるぐると回転させるドーナッツをやりながら、DB5のマシンガンから打つシーンも迫力満点。
NTTD DB5|ヘッドライトからマシンガン
ところで、実はもうひとつの歴代のボンドカーが同作にカムバックする。それは、1987年の「007 リビング・デイラッツ」に登場したV8ヴァンテージだ。そして、新しい007の役を演じる「ノウミ」がDBSに乗って登場するシーンもある。また、2電気モーター付きV8が出す1000馬力のレッドブルF1チームと共同開発をしたアストンマーティン・ヴァルハラも実際に走りはしないけど、とある場面のバックグラウンドに登場する。
左:V8 ヴァンテージ/右:アストンマーティン・ヴァルハラ