ビジネス

2021.09.28 08:30

グッチ親会社ケリング 毛皮の使用を全面廃止へ

ケリングのフランソワ・アンリ・ピノーCEO(左)とグッチ クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ(Getty Images)

ケリングのフランソワ・アンリ・ピノーCEO(左)とグッチ クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレ(Getty Images)

フランスを拠点とする高級品ブランド大手ケリングでは、毛皮の使用を廃止する。

同社は2022年の秋コレクションから、同社の13のファッションブランドが作る製品で動物の毛皮を使用しなくなる予定だ。これは、ファッションにおけるサステナビリティ追求の動きを率いる同社の地位を、他のいくつかの取り組みとともにさらに固めるものだ。

この決定は同社がグループに対して一方的に下したものだが、個々のブランドでは2017年から既に変化が起きている。グッチが2017年、クリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレの指示の下で毛皮の使用停止を発表し、バレンシアガやボッテガ・ヴェネタ、アレキサンダー・マックイーン、ブリオーニ、サンローランなどのブランドもグッチに続いた。

ケリングのフランソワ・アンリ・ピノー会長兼最高経営責任者(CEO)は次のように述べている。

「ケリングは長年、環境・社会的に最も高い価値・基準を厳守する高級品のビジョンを持ち、サステナビリティを先導する努力をしてきた。当グループは動物福祉に関して、当社のサプライチェーンや高級品セクター全般を通し、手法を改善する意思を常に示してきた。そして現在、当社のコレクションの全てで毛皮の使用を廃止することにより、さらなる一歩を踏み出すときが来た。世界は変わり、当社の顧客も変化している。高級品業界は当然、それに適応する必要がある」

毛皮の使用をやめる同社の立場を前進させたのは、ケリングのサステナビリティーと組織業務分野の最高責任者マリークレール・ダブだ。


マリークレール・ダブ(左、2019年コペンハーゲン ファッション サミットにて、Getty Images)

ダブは「動物の福祉改善は、この業界にとって必要不可欠なことでなければならず、ケリングでは常に優先事項だった。当社は2019年、この活動をさらに進め、高級品・ファッション界の世界的サプライチェーンにおける動物福祉を向上させるため、外部の専門家や団体とともに動物福祉の基準を作成した」とコメントしている。

「フランソワアンリ・ピノーのサステナビリティーに関する全体的なビジョンを反映して毛皮を完全に廃止するという当社の決断は、また一つ重要な進歩だ。これはケリンググループが、当社のサプライチェーンや業界全体に変化をもたらすような自然に優しい創造的なリーダーシップに重きを置いていることも示している」(ダブ)
次ページ > サステナビリティーに早期から取り組み

翻訳・編集=出田静

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事