テキサス州での中絶禁止法施行を受け、同州での事業計画の撤回を公表した企業は今のところ出ていないようだ。しかし、この法律により同州で働く気を失った大卒労働者はいる。
サンフランシスコ・ベイエリア在住のマーク・カートライトは、家族でテキサスへ移住することを計画していた。妻が働くアグテック企業は、テキサス州オースティンで新規事業を展開している。夫妻は移住によって「少なくない」金額を節約できると考えていたが、新法の施行でその計画は取りやめとなった。
カートライトは、法律施行の役割を市民にも担わせる新法の仕組みが特に「冷酷」であり、独立を重んじるテキサス州民の精神にも反すると考えている。もうひとつの決め手となったのは、娘の存在だ。
「テキサス州が女性をどう見ているかを示していると思う。まるで女性は自分で決断ができないとでも言わんばかりだ。これは、女性が劣った存在だという考えを成文化したようなもの。娘が成長した時、これ以外にどんな扱いを受けるというのか?」