聯合ニュースが8月31日に報じたところによると、韓国の国会は31日、アプリメーカーがグーグルのPlay StoreおよびアップルのApp Storeに掲載したアプリの決済を、外部企業に委託することを認め、グーグルとアップルの支配力を制限する法案を可決した。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、文在寅大統領は、中道左派政党の支持を受けたこの法案(通称「グーグルの権力乱用防止法」)に署名する予定という。グーグルとアップルは、これまで独占的な地位を利用して、アプリ開発者に彼らの決済システムの利用を強制することで、多額の利益を得てきたと専門家は述べている。
米国の上院議員のグループも8月に「Open App Markets Act」と呼ばれる同様の法案を提出しており、EUの議員らも昨年12月に、グーグル、アップル、アマゾンなどの大手ハイテク企業が自社の決済やサービスを優遇した場合に罰金を科す法案を提出している。
「韓国の法律は、デジタル経済に公平性をもたらすための世界的な戦いにおいて、重要な進展となる」と、スポティファイやエピックゲームズなどが支援する業界団体「Coalition for App Fairness(アプリの公平性のための連合)」の代表を務めるMeghan DiMuzioは述べている。
グーグルとアップルは、多くの場合、両社のアプリストアに掲載されたアプリの売上の30%を徴収している。
グーグルの広報担当者はフォーブスに宛てたメールで「Google Playは、単なる決済ツールをはるかに上回るものであり、当社が徴収するサービス料は、アンドロイドの無料化に貢献している」と述べた。
グーグルのOSは、調査企業IDCによると、世界のスマートフォンの80%以上で利用されている。「当社は、アプリ開発者が世界中の何十億もの消費者にアクセスするためのツールと、グローバルなプラットフォームを提供している」と、グーグルの担当者は述べている。
アップルは27日、米国のアプリ開発企業が起こした集団訴訟の解決ため、App Storeにおける柔軟な価格設定や、App Store以外での支払いオプションを認める方針を明らかにした。
一方で、人気ゲーム「フォートナイト」の開発元であるエピックゲームズは、アップルの手数料が法外だと批判し、昨年8月にアップルを提訴したが、この件については、まだ裁判所の判決が出ていない。
アップルは昨年、エピックゲームズがアプリ内に独自の課金システムを導入し、アップルへの支払いを回避した後に、フォートナイトをApp Storeから締め出していた。