アナハイム市と現地の交通オペレーターのATN(アナハイム・トランスポーテーション・ネットワーク)は、連邦政府からの助成金200万ドルを利用して、アライバル社の電動バスを5台購入する予定という。このバスは、サウスカロライナ州ロックヒルにあるアライバルの「マイクロファクトリー」で製造される。
ATNの取締役のダイアナ・コトラーは声明で、「当社は2025年までに、すべてのバスを電動化するという目標の達成を目指してきた。今回の投資は大きな前進だ」と述べている。
アライバルはすでに、UPSやLeasePlanなどの顧客に数千台の電動デリバリーバンを供給する計画を発表しているが、同社が1年前に発表したハイテクバスの最初の顧客は、アナハイムのATNになることが決まった。
米国の電動バス市場では近年、シリコンバレーのプロテラ社や、カナダのニューフライヤー社、中国のBYD社などが参入し、競争が激化している。アライバルは、大幅な軽量化とバッテリーパックの小型化・軽量化により、ディーゼルや天然ガス、LNGで駆動するバスと同程度の価格を実現し、価格面で優位なポジションにあると述べている。
アライバルの北米支社のArrival Automotiveのマイク・アブルソンCEOは、「当社の電動バスは公共交通機関のあり方を変えていく。米国の交通オペレーターからの受注は、そのほんの始まりに過ぎない」と述べている。
ロンドンに本社を置くアライバルは、今回のATNとの取引のアナウンスの1週間前に、アムステルダムに本社を置くCaaS(カー・アズ・ア・サービス)企業のLeasePlanから3000台の電動デリバリーバンを受注したことを発表していた。
アライバルはまた、物流企業のUPS向けに1万台の配送用バンを製造する準備を進めている。さらに、5月にはウーバーと共同で、ライドシェア用の小型バッテリー車のテストを行うと発表していた。
ATNの交通ネットワークは、年間約1000万人の乗客を運んでおり、ディズニーランドを発着点として市内を移動するルートは、アムトラックや地域の鉄道に接続している。